2024/04/29

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政治

中国大陸から夏季短期留学、学術面で台湾の優位性際立つ

2018/08/13
夏休みに台湾で学ぶ中国大陸の学生たちから、台湾での研究プロジェクトやフィールドワーク、本格的な取材の技巧など基礎的な研究や訓練に代表される実務的な授業が歓迎されている。写真は国立政治大学でのサマーキャンプの様子。(中央社)
台湾が中国大陸からの留学を正式に認めた2011年以降、学部生としての留学受け入れの他、冬休みや夏休みを利用した短期留学クラスも相次いで開かれた。しかし、スタート直後、短期留学クラスでは、「学習・交流」を名目としながら実態は旅行中心で、それに時折中国大陸の学生たちが良く知る台湾の著名人を数人集めて講演させるという形が少なくなかった。また、一部の主催団体が短期間で利益を上げようと、価格を過度に高く設定したことなどもしばしばもめごとを起こしてきた。
 
中国大陸の学生の台湾に対する理解が深まるにつれて、これら学生たちは台湾を体験する方式をより理性的に選べるようになった。加えて、現在台湾海峡両岸のムードがやや複雑なこともあり、台湾留学を希望する中国大陸の学生たちは以前より多くの点を慎重に考慮するようになっている。
 
13年連続で実施している「両岸エリート研究プロジェクトサマーキャンプ」はそれでも今年、2回のキャンプを開催した。主催者であり、国立政治大学(台湾北部・台北市)国際関係研究センターの研究員でもある陳徳昇さんは、台湾における学術の多元性と特色こそが、中国大陸の学生たちが現在このキャンプへの参加を希望する主な理由だと説明した。
 
このサマーキャンプに多く含まれる基礎的な学術研究課程こそ、中国大陸での教学面で比較的足らない部分で、研究プロジェクトやフィールドワーク、本格的な取材の技巧など実務的な授業が中国大陸の学生から歓迎されている。このため、このサマーキャンプでは近年はこの授業をキャンプ内容に常に組み込んでいる。
 
中国大陸から参加した匿名希望のある学生は、「学術のレベルで中国大陸が負けるとは限らないが、中国大陸の学校で基礎的な研究や訓練を教えるところは少ない。台湾の授業は研究分野に踏み込んだばかりの学生にとってかなり役に立つ」と話している。
 
また、台湾には「世論調査」など、中国大陸の学生たちの多くが中国大陸では触れられない授業もある。さらにこうした学生の台湾における学習にはしばしば、台湾の元政府関係者らが参与して質問を受け付ける。政務や行政、社会の発展に関する経験を話し合うことも可能だ。
 
現在、米ウィスコンシン大学マディソン校で学ぶ李墉さんは今年初めてこのサマーキャンプに参加した。李さんは、一部の元政府関係者の台湾、並びに海外での実務経験と経歴が最も印象的だったと話し、これら元政府関係者と学生たちとの間に距離が無く、「みな普通の人だった」ことを指摘した。
 
李墉さんはキャンプへの参加以外に、台湾における短期研究を最大の目標としている。李さんは、台湾では学術の自由度が高く、学術資源も豊富だと強調。加工可能な一次研究や取材データの他、加工不可能な二次研究資料、インターネット、図書などはいずれもすばらしい資源だとしている。
 
 

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