2024/05/06

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台湾・パラグアイ工業科技大学が開講

2018/08/15
台湾・パラグアイ工業科技大学の開講式典に出席した蔡英文総統は、学生たちに「今後もずっと覚えていてほしいのは、台湾がパラグアイの最良の友だということ。私たちは喜んで経験を共有し、パラグアイの良き未来のため台湾から大きな力を注ぎ続ける」と強調した。(中央社)

台湾とパラグアイは2017年12月に「台湾・パラグアイ工業科技大学」設立に関する意向書を交わした。台湾によってパラグアイに建築分野の工事や技術職に携わる専門的な人材を育成する大学を設立する計画だ。同大学では建築工学科、機械工学科、工学科、情報工学科などを含む4つの学科を開設する。

 

パラグアイ政府は大学設立費用を国家予算に組み込み、大学校舎の建築費用を負担した。台湾の「国立台湾科技大学(台湾北部・台北市)」が同大学へ専門講師を派遣するほか、講義の編成、校舎の設計図面作成、実験室の設備などの購入費用をすべて台湾側が負担した。現在すでに予科クラスが開講され、2019年3月の正式な開講が待たれる。

 

中南米外遊のため12日に台湾を出発した蔡総統はパラグアイに到着するや否や、台湾・パラグアイ工業科技大学に駆けつけ、数学と英語の予科クラス開講式典の司会進行を務めた。

 

国立台湾科技大学の廖慶栄学長は、台湾・パラグアイ工業科技大学について「とても自信を持っている。10年か最長でも15年経てば、中南米で最も優れた科技大学になるだろう」との自信をのぞかせた。

 

廖慶栄学長はさらに、「台湾・パラグアイ工業科技大学は4年制だが、学位を修了した4年後、台湾科技大学に編入して修士・博士課程を学ぶ計画もある。台湾科技大学だけでなく、台湾の理工系大学に編入してさらに学業に勤しむことも可能だ」と説明した。

 

台湾科技大学機械学科の修芳仲教授は取材を受けた際に、パラグアイの4,000人以上の入学希望者から成績優秀者上位400人が台湾・パラグアイ工業科技大学の予科クラスの受講者に選ばれたと説明した。さらにこの上位400人のうち、成績が最下位だった学生のGPA(Grade Point Average、欧米では多く採用されている特殊な方式で算出された成績評価)は4.91(5点満点)だったという。そのため修芳仲教授は、優秀な学生の教育に携われ非常に光栄との喜びを表した。

 

蔡総統はまた、開講式典において、友好国パラグアイの技術者育成を支援するため、技術・職業訓練クラスの受講者数を増加すると発表した。パラグアイの若者が台湾に来て、携帯電話用アプリケーション、水道・電気および自動車修理、木工、コンピュータ、冷凍空調などの専門課程を受講できるようサポートする。そのうち、中南米受講者のためのスペイン語クラス受講者数を従来の75人から350人まで増加、専門技術を習得したいパラグアイ国民が台湾に来て学習するのを歓迎する構えだ。

 

台湾・パラグアイ工業科技大学の予科クラスには4,200人が受講を希望した。そのうち400人が学校の成績によって予科クラス受講を許された。パラグアイ政府は、2019年1月下旬に大学入学試験を行うとしており、予科クラス受講者のうち100名を大学1年生として迎え入れる意向だ。2019年3月に正式な開校を予定している。

 

台湾のパソコンメーカー大手、エイサー(Acer Incorporated=宏碁股份有限公司)は今後、学生の励みになればと入学を許可された学生にタブレットパソコンを贈ることに決めた。

 

2017年、パラグアイのオラシオ・カルテス前大統領が台湾を訪問した際、蔡総統に対し、共同で中南米地域における最高の科技大学を設立したいとの申し出があった。この申し出に対し蔡総統は間髪入れずに賛成したという。

 

蔡総統は、開講式典に出席した学生に対して、同大学が今後、台湾科技大学のように世界で卓越した大学になるよう期待していると語った。蔡総統はその上で、「今後もずっと覚えていてほしいのは、台湾がパラグアイの最良の友だということ。私たちは喜んで経験を共有し、パラグアイの良き未来のため台湾から大きな力を注ぎ続ける」と強調した。

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