2024/05/03

Taiwan Today

政治

韓国人修道女に国民身分証、手作りキムチで小児麻痺の子ども助ける

2018/09/17
内政部の徐国勇部長(大臣、右)は16日、彰化県鹿港鎮にある聖母聖心啓智中心を訪れ、韓国人修道女の柳貞順さん(左)に中華民国の国民身分証を手渡した。柳貞順さんは20数年前、小児麻痺の子どもたちを世話するための施設を設立。手作りキムチを売って集めたお金で、プレハブ小屋だった同施設を、現在の規模まで拡張した。(中央社)
内政部の徐国勇部長(大臣)、台湾中部・彰化県の林明裕副県長(副県知事)、天主教台中教区の蘇耀文主教らは16日、彰化県鹿港鎮にある聖母聖心啓智中心を訪れ、韓国人修道女の柳貞順(Ryu Jeong Soon)さんに中華民国の国民身分証を手渡した。柳貞順さんは20数年前、小児麻痺の子どもたちを世話するために、鹿港鎮に聖母聖心啓智中心を設立。手作りキムチを売って集めたお金で、プレハブ小屋だった同施設をコンクリート製に立て直した。
 
20数年前から柳貞順さんに小児麻痺の子どもを預けているという廖碧霞さんは、彰化県二林鎮から毎日、車を40㎞以上走らせ、子どもを同施設に送り届けている。当初は小さなプレハブ小屋だった施設が、徐々に規模を拡大させていくのを目の当たりにしてきた。廖さんは、「柳貞順さんが募金のために奔走し、手作りキムチを売って歩いたその苦労を、皆がその目で見てきた。子どもたちのために尽くしてくれたことに感謝する」と述べた。
 
国民身分証を与えられた柳貞順さんは、目じりに涙を浮かべながら、「ここにいる子どもたちのために募金に奔走したが、それは少しも苦しいことではなかった。くじけそうになったときは天主に祈った。子どもたちが自分を見て喜ぶ姿を見るだけで、どんな苦労も価値があるものだと思った」と述べた。
 
台湾では2016年12月の「国籍法」改正により、中華民国(台湾)に特殊な貢献があった外国人は、もとの国籍を維持したまま中華民国国籍を取得できるようになった。柳貞順さんの帰化申請は、天主教台中教区が彰化県に対して提出したもので、内政部の審査を経て認められた。彰化県にとっては、特殊な貢献が認められて中華民国国籍を取得した初の外国人となった。
 

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