2024/05/05

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『関於島嶼』に再び国際的評価、周東彦さんらが英国のプロジェクション・デザイン賞を受賞

2018/09/18
台湾のダンス集団、「雲門舞集」の『関於島嶼』が各国で絶賛される中、映像投影デザインを担当した周東彦さんらがプロジェクション・デザインに関するイギリスの賞を受賞した。写真左は授賞式でトロフィー代わりの剣を受けた周さん。右は文字がダイナミックに投影される『関於島嶼』のステージ。(左は駐イギリス台北代表処提供で右は雲門舞集提供、いずれも中央社)
世界的に知られる台湾のコンテンポラリー・ダンス集団、「雲門舞集(クラウド・ゲイト・ダンスシアター)」の作品、『関於島嶼(島について)』が各国で絶賛される中、同作品で映像投影デザインを担当した周東彦(CHOU Tung-Yen)さんと「狠主流(Very Mainstream Studio)」チームがこのほど、エンターテインメント界における照明やプロジェクション(投影・映写)、デジタルコンテンツのデザインに関するイギリスの賞、「THE KNIGHT OF ILLUMINATION AWARDS」の「プロジェクション・デザイン賞(The PRG Award for Projection Design)」を受賞した。
 
『関於島嶼』は8月にドイツのダンス雑誌、「TANZ」から「今年度のダンス最優秀作品」に選ばれたばかり。今回はエンターテインメント界における照明や投影などに関する賞としてイギリスで最も重要な賞を獲得し、再び高く評価されたことに。16日夜、周東彦さんはロンドンでの授賞式会場に姿を現した。しかし、それはノミネートされたことで出席するようにとの通知を受けたからで、周さんは、「座ったばかりで状況が把握できない中、(自分の)受賞が発表された」とびっくり。また、審査員長はその後、「各賞に誰を選ぶか激しい議論があったが、『FORMOSA』(関於島嶼の英語タイトル)だけは全員一致で決まった。これが非凡な作品だからだ」と周さんに告げたという。
 
「THE KNIGHT OF ILLUMINATION AWARDS」の対象はダンス、演劇、歌劇、ミュージカルなどを広くカヴァー。ベテランの評論家たちがその年イギリスで上演された作品から受賞作品を選び出す。「クラウド・ゲイト・ダンスシアター」の作品が同賞を受けるのは2014年に王奕盛さんが『稲禾(稲)』で受賞したのに続いて2度目。
 
『関於島嶼』でのプロジェクションのため、周東彦さんと「狠主流」チームの楊茜昀さん、劉承杰さん、李国漢さん、孫于甯さん、黄偉軒さんは2年あまりを費やして「クラウド・ゲイト・ダンスシアター」の林懐民芸術総監督と密接に協力、最終的に大量のアニメーションを取り入れる手法で、70分間に及ぶステージでの映像を創り上げた。
 
周東彦さんは創作の過程を振り返り、「まるでダイヤモンドを精巧にはめ込んでいくようだった」と形容している。エンディング直前に現れる満天の星は文字がつながったもの。一方で大きく映し出される漢字は全てばらばらになり、意味の無い線となって空をさまよっていく。そして最後には張皓然さんの撮影した、湧き上がる青い海に飲み込まれ、舞台は空も地面も真っ白な虚無へと転じる。周東彦さんは審査員の、「この投影作品ではシンプルで素朴な世界が複雑で繁雑な結果へと発展する。極めて感動的だ」というコメントを伝えている。
 
『関於島嶼』は今年度における内外での公演を終えている。来年はモスクワ、クアラルンプールなどで上演される予定。
 
 

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