2024/05/16

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同性愛者解放運動の先駆者・祁家威さん、EUの人権啓発動画に

2018/10/08
EU(欧州連合)と国際連合人権高等弁務官事務所は世界人権宣言70周年を記念して、人権運動に取り組んできた人々を紹介する動画を制作している。そのうちの1つに、台湾における同性愛者解放運動の先駆者、祁家威さんを紹介する動画も含まれている。写真は動画のスクリーンショット。(欧州対外行動庁YouTube動画チャンネルサイトより)
EU(欧州連合)と国際連合人権高等弁務官事務所は世界人権宣言70周年を記念して、人権運動に取り組んできた人々を紹介する動画を制作している。世界各地の人権運動家が取り上げられており、その中には台湾における同性愛者解放運動の先駆者、祁家威さんも含まれている。
 
駐台欧州連合代表部代表を兼任する欧州経貿弁事処(EETO)のMadeleine Majorenko処長によると、この動画制作プロジェクトに基づき、全世界で10本余りの動画が制作されている。祁家威さんは長年、同性婚合法化運動に取り組んでおり、人権分野では台湾を代表する人物と言える。
 
祁家威さんは、台湾で最初に同性愛者であることを公表し、メディアに顔を出したことで知られる。そしてこの30年間、同性愛者の権益を確保するために積極的に働きかけてきた。また、同性婚の合法化を実現するため、司法院大法官会議(憲法法廷)に対して複数回、同性婚の合憲性の有無を問う憲法解釈の申し立てを行った。台湾の司法院大法官会議は2017年5月24日、民法が同性婚の自由を保障していないことは違憲だと判断。関連の機関は同憲法解釈文の公告後2年以内に関連の法律の改正もしくは制定を完了しなければならないとした。EUなどが制作した人権啓発動画は、祁家威さんの紹介を通して、台湾がこの方面でアジアのパイオニアであることを示そうとするもの。
 
動画はすでに欧州対外行動庁(European External Action Service、略称EEAS)のYouTube動画チャンネルサイトで公開されている。祁家威さんはこの動画で、「自分は10代のころから、自分が同性愛者ということで大きな障害や圧力を感じたことはない。大部分の権利は、自分が同性愛者であるからといって、その影響を受けることはなかった。しかし、結婚に関してだけは、自分から主張していかなければ、その権利を享受することができない。同性婚は合法化されてこそ、法律上の地位が保障されると考えている」などと語っている。そして最後は、「あなたも私たちと一緒に、実際の行動をもって、人権のために声を上げることができるのです」と締めくくっている。
 
世界人権宣言は1948年12月10日の国際連合総会で採択された。すべての基本的人権は保障されるべきだと規定するものである。この世界人権宣言の採択から70周年を迎えるに当たり、EUと国際連合人権高等弁務官事務所は人権運動に取り組む人々のストーリーを紹介する動画を制作している。EUが世界各地に置く代表部が、その国々の人権運動家を推薦。彼らのストーリーと精神を1つずつ動画にまとめている。
 

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