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10秒でネズミを検知、環境有害生物管理システム開発成功

2018/10/17
「台北101 SMART TREND(智慧趨勢展)」で紹介された、崴鼎農業科技の開発した環境有害生物管理システム。人体にも無害で、わずか10秒の内にネズミなど有害生物の検知が可能だ。(中央社)
かつて台湾では、オフィスビルや商品をネズミの被害から守るためには、ただやみくもに殺鼠剤を置いて駆除するしか方法がなく、ネズミの居場所を把握することが不可能だった。国立台湾大学動物科学技術学科の邱智賢教授と国立中山大学電機工学科の洪子聖教授らの協力を得て、スタートアップ企業の崴鼎農業科技(WD AGRITEK)は、環境有害生物管理システムの開発・研究に成功、16日に台北101ビル(台湾北部・台北市信義区)で行われた「台北101 SMART TREND(智慧趨勢展)」で紹介された。なお、このシステムはすでに台北101ビルで採用されている。
 
崴鼎農業科技はこのシステムについて、「革新的なレーダー技術を駆使したもので、Wi-Fiと同様の2.4GHz(ギガヘルツ)帯の電波を使用する。非接触型の観測システムで微細な振動を検知する。例えば、生物の呼吸や心臓の鼓動による皮膚表面の微小な起伏から、ネズミの痕跡を把握することができる。システムは、優れた浸透性、高感度、高いコヒーレンス(可干渉性)を兼ね備え、厚さ8センチメートルのコンクリートの壁、木製品、段ボールなどの中からでも、わずか10秒の短時間でネズミの鼓動や呼吸を感知することが可能だ」と説明した。
 
このシステムはWi-Fiと同様の電波を用いていることから、人体には無害で、商品の検査やオフィスビルなどで利用が可能だ。
 
システムが生物の存在を感知した場合、接続したモニターに赤いランプが点灯し、商品や特定の場所にネズミが出没した可能性があることを知らせる。しかし、現段階ではまだ生物の正確な場所、種類、数量を把握することはできないという。また、ゴキブリなど比較的小型の生物を感知することはできず、今後さらなる同システムの進化で、実用性が向上するよう望まれる。

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