2024/05/16

Taiwan Today

政治

「無かったことこそ話せること多い」、フェイクニュースを風刺した作品がmyfone賞で優勝

2018/11/05
台湾の大手電信キャリア、台湾大哥大株式会社(Taiwan Mobile Co., Ltd. 台湾モバイル)による第12回myfoneモバイル創作賞の受賞作品が発表された。myfoneは台湾モバイルの店舗名。今年は「跨」(またぐこと)がコンテストのテーマ。「跨域・跨界・跨世代(分野・ジャンル・世代のクロスオーバー)」精神をアピールし、3万点を超える作品を集めることに成功した。ショートフィルム部門の優勝には国立台北芸術大学(台湾北部・台北市)の学生が、音楽の分野から映像に挑戦した卒業制作が選ばれた。
 
台湾モバイルによれば、今年の特色は新技術の応用。ショートフィルム部門ではVR(ヴァーチャルリアリティ)とパノラマ映像の技術を使った作品が大量に現れた。また、音楽部門の作品ではAI(人工知能)やビッグデータ解析が初めて導入され、ニューラルネットワークによるディープラーニングを経てコンピューターが自ら創り出した楽曲、『一刻相依』が賞を受けた。
 
1人で大量の作品を創り出す人もいて、メッセージ部門では施建樺さんが1,223作品を投稿した。参加者の年齢は最高齢が81歳、最年少はスタンプ部門に投稿した10歳。また、家族全員で投稿する「世代をまたぐ創作家族」も登場。さらには同性愛に関する議題を取り上げ、父と子が「世代をまたいで」同性愛を受け入れる作品もあった。
 
全部門のうち競争が最も熾烈だったのは携帯メッセージ。今年は時事部門、並びに四字成語や詩の新たな応用部門に合計2万5,000作品近い応募があった。時事部門の優勝はわずか7文字の作品、「没的事才有得説」(起きていないからこそ話せることが多い)。台湾が、「起きていないことを起きたことにされる」フェイクニュースにあふれていることを皮肉った。
 
準優勝は、「『同志』尚未成功、革命仍須努力」(同性愛者は平等な権利をまだ勝ち取っていない。革命にはさらなる努力が必要だ)。中華民国建国の父、孫文博士の言葉である「革命尚未成功、同志仍須努力」(革命の成功は未だし、同志よさらに努力せよ)の単語を巧みに入れ替えることで、最近熱い議論が繰り広げられている同性婚や性別平等教育に関する国民投票に呼応して見せた。
 
また、「以前、青年創造時代;現在、那些青年還在」(昔は若者たちが時代を作った。あの若者たちは今もいる)では、かつての若者たちは努力することで前途が開けたが、それら当時の若者たちが年をとってもその座を譲らないことで、今の若者にはチャンスが無いと嘆いている。考えさせられる文章でこの作品は3位となった。
 
四字成語と詩の新たな運用部門の作品、「今宵酒醒何処?臨検站、警察筆録」(今晩どこで酔いが覚めたのかって?飲酒運転の臨時検問ポイント。警察に調書をとられた)は今年頻発した飲酒運転の事件に呼応。美しい文章と韻を踏む巧みさが評価され、同部門1位に選ばれた。
 
 

ランキング

新着