2024/05/08

Taiwan Today

政治

台湾の国産AIスパコン、世界順位20位に

2018/11/14
科技部(日本の文部科学省に類似)傘下の研究機関である財団法人国家実験研究院(NARLabs)が民間企業と共同で構築した人工知能(AI)向けスーパーコンピュータ「台湾杉二号(タイワニア2)」が、スーパーコンピュータの計算速度を格付けする世界ランキング「TOP500」で過去最高の20位にランクインした。写真は台湾におけるスパコンの歴史を示す表。(科技部提供、中央社)
科技部(日本の文部科学省に類似)傘下の研究機関である財団法人国家実験研究院(NARLabs)が民間企業と共同で構築した人工知能(AI)向けスーパーコンピュータ「台湾杉二号(タイワニア2)」が、スーパーコンピュータの計算速度を格付けする世界ランキング「TOP500」で過去最高の20位にランクインした。
 
このスーパーコンピュータは、国家実験研究院国家高速網路與計算中心(National Center for High-performance Computing、略称NCHC)が台湾の民間企業である広達電脳(クアンタ)、華碩(ASUS)、台湾大哥大(台湾モバイル)の3社と合同で構築したもの。
 
「台湾杉二号」のCPU性能は9ペタフロップス(コンピュータ処理性能を表す単位、1秒間に浮動小数点演算を9,000兆回できることを意味する)に達する。最近発表された世界のスーパーコンピュータのランキング「TOP500」では、米国、中国、スイス、日本、ドイツ、韓国、イタリア、フランスなどに次ぐ20位に格付けされた。スーパーコンピュータのHPLの性能/消費電力を格付けする「Green500」は、日本、米国、スペイン、中国などに次ぐ10位となった。いずれの順位も、台湾のスーパーコンピュータの歴史で最高の記録。
 
「台湾杉二号」は252個のノードを持ち、1ノードごとにCPU2つと、最先端GPUが4つ含まれている。科学者がビッグデータを運用してディープラーニングを行う際、より優れた性能を示すことができる。また、エネルギー効率は11.285 GF/Wで、演算量が9ペタフロップスに達した場合の消費電力は798キロワット。これは台湾で史上最も消費電力が少ないスーパーコンピュータとなる。
 
「台湾杉二号」は2019年上期より本格的に稼働する。極めて早い演算能力と大量のデータ保存能力、それに安全なインターネット環境を提供することができるだけでなく、人工知能(AI)向けのクラウド演算プラットフォーム構築により、国内最大のデータマートとして産官学にタイムリーでより便利な演算サービスを提供することができる。
 
「台湾杉二号」の演算資源の50%は今後、政府が主導するインテリジェントロボット、自動運転実証実験エリア、科技部「AI創新研究中心(人工知能イノベーション・リサーチセンター)」など、政府が進める大規模建設投資計画「前瞻基礎建設計画(将来を見据えたインフラ建設計画)」や学術界が活用できるよう提供される。残り半分の資源は、イノベーティブな産業に提供され、人工知能(AI)のフィンテック(FinTech)、スマート製造、スマート医療/ヘルス、スマートシティ等に応用することで、台湾の人口知能(AI)関連の技術及びサービスの開発を加速させたい考え。
 

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