2024/05/06

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政治

高雄区農業改良場、30年前から有機農法の実験

2018/12/13
行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)高雄区農業改良場は11日、旗南分場(台湾南部・高雄市)の有機栽培実証エリアで参観イベントを開催した。旗南分場では30年前から、3.4ヘクタールの農地を使って農作物の有機栽培を行ってきた。(高雄区農業改良場提供、中央社)
行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)高雄区農業改良場(台湾南部・高雄市)は30年前から、農業委員会の政策に合わせ、同じ農地を使った農作物の有機栽培を行ってきた。その成果が今年、農業改良場、国立成功大学(台湾南部・台南市)生命科学系(=ライフサイエンス学科)、同大学熱帯植物及び微生物科学研究所の共同発表として、自然科学(生物学、化学、物理学、地球科学)におけるオープンアクセスの電子ジャーナル「Scientific Reports」に掲載された。
 
高雄区農業改良場は、旗南分場にある3.4ヘクタールの農地を使い、30年前から有機農法の実験を行ってきた。30年間に及ぶ実験の結果、有機農法と農地の永続経営の理念を合致させることが可能であることを実証した。近年の試験データからも、長期にわたって田畑輪換を行い、有機質肥料を施用した有機栽培エリアで栽培した農産品は、化学肥料使用エリアで栽培した農産品の生産量及び品質と非常に近いレベルに達することが分かった。また、有機栽培は土壌中の微生物の多様性を高め、病虫害の発生を抑えることを発見した。
 
旗南分場の周国隆場長は枝豆の専門家で、2年前に旗南分場に異動してきた。当初は枝豆の有機栽培ができると信じていなかったが、研究員に実験を指せたところ、栽培に成功。有機土壌は長年の培養によって微生物の多様性が高まっており、一部の害虫に至っては有機栽培エリアに移されると、真菌やテントウムシによって駆除されることが分かった。
 
有機栽培の土壌の培養には少なくとも5年以上の歳月が必要だ。今年成立した「有機農業促進法」は、行政院農業委員会が有機栽培に従事する農家に対し、最初の有機土壌の培養期間に補助金を出すというもの。農業改良場が進めてきた有機農法に関する研究成果もすでに出ており、台湾の農家も少しずつ有機栽培への転換を進めることになると見られている。
 
農業改良場は12日、有機農法に関する参観イベントを行った。有機農法は一般の農法に比べて手間がかかると言われるが、この参観イベントでは、こうした手間を省くための野菜移植機、真空播種機、種子播種機などが展示されるなど、有機農法に優しい栽培技術の数々が紹介された。
 

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