2018年の「体育運動精英奨(スポーツエリート賞)」の授賞式典が12日午後に行われた。最優秀男子スポーツ選手には体操の李智凱さん、最優秀女子スポーツ選手にはバドミントンの戴資穎(タイ・ツーイン)さんが選ばれた。
最優秀コーチには李智凱さんらを指導する林育信さん、最優秀スポーツチームには今年のアジア競技大会(ジャカルタ・パレンバン)における混合団体10メートルエアライフルで金メダルを獲得したチーム、最優秀新人スポーツ選手には男子テニスの曽俊欣さん、そして最優秀スポーツマンシップ賞には同アジア大会体操男子種目別鉄棒の金メダリスト、唐嘉鴻さんが選ばれた。
これらの受賞者は12日午前、審査委員会が最終的な議論を行って選出。授賞式典は11月8日に一足早く発表されていた特別功労賞の郭中興さん(中華民国射撃協会栄誉理事長)、並びに特別賞の郭昇さん(台北市立景美女子高級中学=高校の綱引き部監督)への賞の授与も行われた。今年の最優秀スポーツ選手選出は、候補となった選手が男女いずれもアジア競技大会で非常に優れた成績を残したことから極めて難しかったという。
スポーツエリート賞が設けられて20年目の今年、特別功労賞に選ばれたのは射撃スポーツの発展に大きく貢献した郭中興さん。長期にわたって射撃スポーツの普及に努め、競技人口を増やした。1982年には各レベルの国際組織に再加盟を申請、射撃選手の大会出場権を取り戻し、世界に台湾の存在をアピールした。さらには各レベルの学校で射撃スポーツを紹介、底辺の拡大と育成に尽力した。審査委員会は、こうした努力が近年の国際大会での好成績につながっているとして、郭中興さんの特別功労賞は「実至名帰」(実績が名誉に相応しい)だと称えた。
「綱引きの哲学者」と称される郭昇さんは特別賞を受賞。郭昇さんは台北市立景美女子高級中学(高校)の綱引きチームを率いて数多くの大会に参加、台湾での各大会連覇の他、ここ3年は世界と欧州、アジアの綱引き選手権大会で連続15回の優勝を飾っている。審査委員会は、郭昇さんは選手たちと共に成長し、人生にいかに向き合うかを学ばせている他、「負けても泣かない、勝ってもはしゃがない」という態度を堅持している点に敬服すると評価した。
教育部(日本の文科省に類似)体育署は、今年台湾は大規模な国際大会の数々で優れた成績を残しており、これまで20回行われているスポーツエリート賞の中でも特に審査が難しかったと指摘。「傑出奨」(ノミネートに相当)に選ばれた選手たちはみな、それぞれの競技で傑出した成績を残しており、審査委員会がその中から最も高く評価した選手に今年のスポーツエリート賞が贈られると説明した。体育署はしかし、ノミネートされたことすなわち栄誉であり、スポーツ選手、そしてコーチたちの努力を国家が高く評価していることを表していると述べた。
ノミネートリスト
●最優秀スポーツマンシップ賞
2018年アジア競技大会男子バレーボール代表チーム、周天成(バドミントン)、唐嘉鴻(体操)、陳智郁(体操)、黄亭茵(自転車)
●最優秀新人スポーツ選手賞
王晨佑(陸上競技)、林穎欣(射撃)、梁恩碩(テニス)、曽俊欣(テニス)、劉俐伶(柔道)
●最優秀スポーツチーム賞
2018年アジア競技大会女子ソフトボール代表チーム、同大会男子バレーボール代表チーム、同大会男子ドラゴンボート代表チーム、同大会アーチェリー混合コンパウンド団体チーム、同大会射撃混合団体10メートルエアライフルチーム
●最優秀コーチ賞
林育信(体操)、林政賢(アーチェリー)、林敬能(重量挙げ)、侯鴻章(カヌー:トラディショナルボート=ドラゴンボート)、孫念祖(陸上競技)
●最優秀女子スポーツ選手賞
文姿云(空手道)、谷筱霜(空手道)、林穎欣(射撃)、郭婞淳(重量挙げ)、戴資穎(バドミントン)
●最優秀男子スポーツ選手賞
李智凱(体操)、唐嘉鴻(体操)、陳奎儒(陸上競技)、楊俊瀚(陸上競技)、楊昆弼(射撃)