2024/04/30

Taiwan Today

政治

BBC記者、臭豆腐から台湾の「夜食文化」紹介

2018/12/14
ジャーナリストのLeslie Nguyen-Okwuさんは、台湾に在住しながらフリーランスの記者として台湾に関する記事を書いている。このほど英国放送協会(BBC)公式サイトで、台湾の夜食文化を紹介する文章を発表した。写真は臭豆腐(しゅうどうふ、チョウドウフ)。豆腐を植物性の発酵液に漬けて風味を付けた加工食品で、独特の臭いを放つ。(外交部国際伝播司)
Leslie Nguyen-Okwuさんは、台湾に在住しながらフリーランスの記者として台湾に関する記事を書いている。Leslie Nguyen-Okwuさんはこのほど、英国の大手メディアである英国放送協会(BBC)公式サイトの「旅行(travel)」版で、台湾の夜食文化を紹介する文章を発表した。台湾北部・台北市にある寧夏夜市(ナイトマーケット)にある臭豆腐(しゅうどうふ、チョウドウフ)の老舗「里長伯」を訪れたときの様子を生き生きと紹介している。臭豆腐とは、豆腐を植物性の発酵液に漬けて風味を付けた加工食品で、独特の臭いを放つのが特徴だ。
 
Leslie Nguyen-Okwuさんはこの日、雨が降る中、寧夏夜市にある臭豆腐の老舗「里長伯」を訪れた。店内は大勢の客でごったがえしており、人々は押し合いへし合いながら、「臭豆腐の国王」、「臭豆腐の皇后」と自称する経営者夫婦に注文の品を伝える。店の看板メニューはカラッと揚げた「揚げ臭豆腐」。上にキャベツの漬物を乗せて食べる。
 
Leslie Nguyen-Okwuさんは「この豆腐の臭いに比べたら、最も臭いと言われるロッカールームですらバラの香りに思えてくるほどだ。それでも臭豆腐を買い求める客は後を絶たず、行列はどんどん伸びていく。それはまるで、この鼻をつまみたくなるような臭いが、世界の果てまで広がっていくのと同じようだ」と形容。さらに、台湾ではこうした夜食文化が一般化しているが、深夜に経営している店や屋台が出すメニューは品数が少なく、ほとんどの屋台はいくつかの看板メニューを出しているだけだと説明している。経営者は1つか2つのメニューを出すために日夜精進しており、それによって「パーフェクト」な味を出すことができるのだとしている。
 
Leslie Nguyen-Okwuさんはさらに、「想像して欲しい。搾りたてのサトウキビジュース、ジュウジュウと音を立てる蚵仔煎(牡蛎入りのオムレツ)、グリルで焼かれるステーキ、甘いタピオカミルクティー、丸々として可愛らしい台湾式ソーセージ。これらはどれも屋台で売られている。よだれが垂れ落ちそうになるお客の目の前で作ってくれる。それは見ているだけで人を愉快な気分にさせる」と書いている。
 
Leslie Nguyen-Okwuさんは、「自分のような外国人は、台湾のレストランを紹介するときはいつも、予定になかった夜食文化まで紹介してしまう。ニューヨークを眠らない町というのであれば、台湾は間違いなく永遠に食べ飽きることのない島である」と続ける。
 
「台湾はオランダ、スペイン、日本の植民統治を受け、その文化的影響が色濃く残る。また、中国式の調理の伝統の影響も受けており、1949年以降に台湾にやってきた外省人は中国各地からさまざまな料理を持ち込んだ。それらは台湾で多様な飲食文化を作り出した。真夜中に小腹を満たす料理は、挙げればきりがない」―Leslie Nguyen-Okwuさんはこう紹介する。
 
Leslie Nguyen-Okwuさんは、台湾の飲食文化を研究している国立台湾師範大学の陳玉箴副教授にもインタビューをしている。中国語で夜食を意味する「宵夜(あるいは消夜)」という言葉が、最初に現れたのは9世紀、唐の時代のこと。詩的な表現で、夜に酒を飲んで時間をつぶす行為を「消夜」と呼んだ。その後、この言葉の意味はさらに広がり、現在では台湾の主流文化の一つにすらなっている。台湾人の就寝時間はますます遅くなり、それは「眠らぬ社会」の現象となりつつある。
 
陳玉箴副教授は「台湾のナイトマーケットを形容するといたら、私は『賑やか』と表現する。『賑やか』が好きだから、台湾のナイトマーケットの多くや深夜も賑わっているレストランなどは、廟宇の近くにある。台湾人は廟宇を参拝したあと、友達を誘って何かを食べることが多い。だから地方の小さな村でも、賑やかなナイトマーケットはどこでも見られる光景だ」と説明している。
 
Leslie Nguyen-Okwuさんは最後に、「夜の帳(とばり)が彼らの行動を阻止することはない。ここ台湾では、食べ飽きるということはありえない」と記事をまとめている。
 

ランキング

新着