2024/05/03

Taiwan Today

政治

徴兵制度の歴史に幕、最後の412名がまもなく除隊へ 

2018/12/17
中華民国の最後の兵役義務兵である空軍892期、海軍892期、海軍陸戦隊(海兵隊)811期の兵士合計412名が今月26日までに全員除隊する。中華民国の徴兵制度は幕を下ろすことに。写真は台湾中部・台中市にある成功嶺新兵訓練センターで訓練を受ける兵士たち。(中央社)
中華民国最後の「義務役士兵(兵役義務兵=徴集兵)」である陸軍2225梯(以下、「期」)、空軍892期、海軍892期、海軍陸戦隊(海兵隊)811期の兵士合計412名が今月26日までに全員除隊する。これにより中華民国の徴兵制度はその歴史に幕を下ろすことになる。
 
国防部(日本の防衛省に相当)の統計によれば、1年制の兵役義務で2008年から2017年12月の間に入隊した兵士は約78万人。陸海空三軍で最後に入隊した「義務役士兵」は海軍艦艇兵735期(昨年12月13日に入隊)が39人。陸軍2225期(同12月19日入隊)が299人。空軍892期(同12月19日入隊)が33人、海軍陸戦隊811期(同12月26日入隊)が41人。今後「後輩」が入ってこないことから、「一生涯『新兵』だ」と揶揄されたこれら兵士たちの兵役生活は各界の注目を浴びた。
 
国防部による志願制推進に応じて1年間の兵役義務はなくなり、4カ月間の軍事訓練に全面的に移行する。台湾北部・新北市に戸籍がある最後の「義務役士兵」の一部が昨年入隊する際、新北市はかつて「八二三砲戦」に参戦した陸軍78期、97期、99期の元砲兵を特別に招き、「大先輩」として新兵たちに「光栄入伍(栄えある入隊)」と書かれたたすきを掛けてもらうセレモニーを行った。中華民国軍の精神を後々に伝えていくことを象徴する儀式だった。「八二三砲戦」とは、1958年8月に離島の金門県と中国大陸側の間で始まった砲撃戦のこと。
 
中華民国政府は台湾に移転後、1951年には徴兵制を実施し、共産党の台湾への侵入を阻止した。当時の服役期間は陸軍が2年、海軍と空軍は3年間だった。1990年からは陸海空三軍で全て2年間とし、2008年には1年間に短縮された。
 
現在、中華民国軍の人員枠は21万5,000人。研修中や入院加療中、無給休職者などの数である「維持人数」枠の1万9,000人、及び事務職と外部からの招聘枠の8,000人を除くと、常備部隊の正式な軍人枠は合計18万8,000人となる。「計画補充目標」である90%という比率に基づけば、実際に必要な軍人は16万9,000人だという。
 
国防部が今年10月に発表したプレスリリースによれば、志願兵は15万3,000人あまりで、正式な軍人枠に対する割合は81%に達している。今後は毎年何回かの募集でこの割合を高めていく考えで、2019年には2万1,000人あまりの募集を計画。2020年の年末には志願兵の割合を90%とする目標が達成できる見通しだという。
 
 

ランキング

新着