2024/05/03

Taiwan Today

政治

宣教師のスペイン語教授に永久居留証授与

2018/12/19
内政部移民署から授与された永久居留証「梅の花カード」を手に微笑む魯四維(ハビエル・ペレス・ルイス)教授(写真左から5人目)とその家族。これまでの台湾の教育に対する貢献が讃えられた。(聯合報)
内政部(日本の省レベルに相当)移民署は18日、文藻外語大学(台湾南部・高雄市)スペイン語学科で教鞭をとるスペイン人の魯四維(ハビエル・ペレス・ルイス、Javier Pérez Ruiz)専任教授に対して、特殊な永久居留証「梅の花カード」を授与した。
 
ハビエル・ペレス・ルイス教授は、1993年に欧州で医師免許を、1996年にスペインのカディス病院において小児科専門医の資格を取得した。2001年に文藻外語大学スペイン語学科の教職に就き、教育分野で大きな貢献を果たし数々の賞を受けた。
 
本来はスペインの病院で小児科医として快適で豊かな日々を送っていたが、妻との関係がぎくしゃくしてきた。それを信仰の力によって乗り越えることができた。そこで、より多くの人にカトリック教を知ってもらおうとハビエル・ペレス・ルイス教授は宣教家族となることを選び、カトリック教会の聖人ヨハネ・パウロ2世によって台湾に派遣された。台湾初の枢機卿でカトリック教会の司教、単国璽氏は、台湾に来る前は地球の裏側に台湾があることすら知らなかったハビエル・ペレス・ルイス教授とその妻に対し、中国語名「魯四維」と「毛仁愛」という名を与えた。
 
教会では宣教師に対する給料はなく、生活のためにはまず仕事を探さなくてはならない。ハビエル・ペレス・ルイス教授は台湾の医師免許がないため、医師として就業することがかなわず、スペイン語教師になることを決めたという。文藻外語大学の当時の規定では、博士号を取得すれば専任教師になれた。そこでハビエル・ペレス・ルイス教授はまずは医学博士を、続いて語学教師に関連する応用言語学博士を取得した。さらに教会からの希望で、イタリア・ローマにおいて生命倫理学の博士号も取得した。これは神学の角度ではなく、科学の観点でジェンダー・イデオロギー、堕胎、安楽死など生命倫理と関連する分野から、救いの手を差し伸べる助けになるとの考えからだ。
 
台湾に来る前に9人、台湾に来てから2人が生まれ11人の子供を持つハビエル・ペレス・ルイス教授は、台湾に来て17年を超えた。5番目の息子は台湾の女性と結婚し、可愛い孫娘にも恵まれ、2人目の孫も間もなく出産を迎えるという。ハビエル・ペレス・ルイス教授は「台湾は2つ目の故郷。私の生活は、もう台湾と切り離すことはできない。私の使命は苦しみの中にある人に希望を与え、神の愛をもたらすこと」と語った。
 
移民署は数回にわたる審議を経て、ハビエル・ペレス・ルイス教授が高度人材・高度専門職に発給する台湾の永久居留証を申請する資格があると認定した。内政部移民署南区事務大隊高雄市第一サービスステーションは18日、永久居留証の中でも最もレベルの高い「梅の花カード」を授与した。これに対しハビエル・ペレス・ルイス教授は「ずっと前から既に私の心は半分がスペイン人、半分が台湾人となった。孫娘はスペイン人の父と台湾人の母から産まれた。これはすべて愛の力によって実現したもの」と喜びを語った。

ランキング

新着