2024/04/30

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政治

行政院、第三期航空宇宙計画に251億台湾元

2019/01/16
行政院(内閣)は15日、第三期「太空科技長程発展計画(=航空宇宙計画)」に251億台湾元(約883億日本円)を投入することを決めた。2019年から2028年までの10カ年計画となる。現在運用されている台湾の人工衛星は8機。中央の黄色い線は「福爾摩沙衛星五号(フォルモサット5号)」の軌道。白線はそれがカバーする通信範囲。(財団法人国家実験研究院国家太空中心サイトより)
行政院(内閣)は15日、第三期「太空科技長程発展計画(=航空宇宙計画)」に251億台湾元(約883億日本円)を投入することを決めた。
 
第一期「太空科技長程発展計画」は1991年から2005年に実施され、台湾の航空宇宙技術のインフラと人材育成の基礎を築いた。また、台湾初の科学実験衛星「福爾摩沙衛星一号(FORMOSAT-1、フォルモサット1号)」、2機目の地球観測衛星「福爾摩沙衛星二号(フォルモサット2号)」、3機目の気象衛星「福爾摩沙衛星三号(フォルモサット3号)」などの打ち上げを成功させた。
 
第二期「太空科技長程発展計画」は2004年から2018年に実施された。産学連携により研究資源を統合し、台湾の航空宇宙分野の研究・開発能力を充実。地球観測衛星「福爾摩沙衛星五号(フォルモサット5号)」や気象衛星「獵風者(Triton、トリトン)」を自主開発し、且つ米国と共同で気象衛星群「福爾摩沙衛星七号(フォルモサット7号)」の開発を進めた。
 
科技部(日本の文部科学省に類似)によると、第三期は2019年から2028年までの10カ年計画となる。主に高解像度光学リモートセンシング人工衛星、超高解像度光学センサ人工衛星、合成開口レーダー人工衛星などの開発に力を入れ、より完全な人工衛星群によって台湾の安全を守ることを目指す。
 
そのうち高解像度光学リモートセンシング人工衛星と超高解像度光学センサ人工衛星はいずれも、リモートセンシングや国内生産されたさまざまなサイエンスペイロード(観測や分析などを行うための各種搭載機器)を搭載することができる。いずれも2017年に打ち上げられた地球観測衛星「福爾摩沙衛星五号(フォルモサット5号)」より高い解像度を持つ。
 
これらの人工衛星は、「福爾摩沙衛星五号(フォルモサット5号)」と協力し、毎日、高い解像度のさまざまな衛星映像やデータを台湾に送る。これによって、国土の安全や環境の変化をスピーディーに把握することができ、国土調査測量や農林部門のニーズに対応する。
 
合成開口レーダー人工衛星は、アクティブ方式のレーダーを搭載したもの。夜間や雲りの日でも天候の影響を受けることなく、森林伐採、地盤沈下、地形の変形などを観測できるのが特徴だ。重大な自然災害が発生した際には直ちに映像を提供し、災害の範囲をより明確に把握できるようになるため、国土の安全確保に役立つ。
 
第一期計画には197億台湾元(現在のレートで約692億日本円)、第二期計画には259億台湾元(約910億日本円)の予算が投じられた。今年から始まる第三期計画の予算は251億台湾元と確定した。
 
科技部によると、第三期計画では台湾における航空宇宙産業の技術向上を目指すほか、最先端の航空宇宙任務に挑戦し、航空宇宙技術の向上によってもたらされる効果と利益を拡散する。同時に、次世代の航空宇宙人材の育成にも力を入れる。また、最先端技術の発展を中心に、台湾の航空宇宙産業の発展をけん引し、同時に国家の安全保障、社会福祉等のニーズへの対応にも目を向け、次の10年間に及ぶ航空宇宙産業の発展のために新たな一歩を踏み出す。
 

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