2024/05/04

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中国鋼鉄、仏カルデリスと「耐火材料聯合実験室」設立

2019/01/18
台湾の鉄鋼最大手である中国鋼鉄公司は15日、グループ本社ビル1階の国際会議ホール(台湾南部・高雄市)で、耐火物大手サプライヤーである仏カルデリスと耐火物の共同研究を行うための「耐火材料聯合実験室」を設立した。写真左から4人目は中国鋼鉄公司の翁朝棟董事長(会長)、右から4人目はカルデリスのCEOであるMichel Cornelissen氏。(中国鋼鉄公司サイトより)
台湾の鉄鋼最大手である中国鋼鉄公司は15日、グループ本社ビル1階の国際会議ホール(台湾南部・高雄市)で、耐火物大手サプライヤーである仏カルデリスと耐火物の共同研究を行うための「耐火材料聯合実験室」を設立した。経済部(日本の経済産業省に相当)国営会の呉豊盛副主任委員、中国鋼鉄公司の翁朝棟董事長(会長)、カルデリスのCEOであるMichel Cornelissen氏、台湾の関連大学の教授、金属工業研究発展中心、中国鋼鉄グループの関連の管理職、産学関係者らが出席した。
 
中国鋼鉄グループは、耐火物の消耗量が年間15万トンに、その調達金額は50億台湾元(約177億日本円)に達している。製鉄所の建設に当たっては当初、必要な耐火物をすべて輸入に依存していた。このため40年前から耐火物の国産化を検討。その後の取り組みによって、国産品の供給比重は80%以上に引き上げられた。耐火物のより安定したサプライチェーンを構築するため、中国鋼鉄公司は2018年6月よりカルデリスと耐火物の共同研究で協力する可能性について話し合いを進めていた。カルデリスはすでに、台湾での「鋼鉄耐火材料研究中心」設立を決めている。
 
カルデリスは、世界的な鉱物メーカーで年商46億ユーロに達するイメリスグループの傘下企業。2005年に仏Lafarge社と米Plibrico社の合併によって誕生した。同社が供給する耐火物は世界各地に輸出され、中国鋼鉄、アルセロール・ミッタル、タタ・グループ、新日鐵住金、ブルースコープ、ティッセンクルップなど大手鉄鋼メーカーに供給されている。
 
カルデリスが得意とするのは不定形耐火物の生産で、年間生産能力は約60万トンに達する。2017年には中国鋼鉄グループに8,200トンの不定形耐火物を納品した。カルデリスはすでに、台湾に「鋼鉄耐火材料研究中心」を設置することを決めているが、それに続いて中国鋼鉄グループと協力して「耐火材料聯合実験室」を設立することで、カルデリスが持つ不定形耐火物分野での強みと、中国鋼鉄の耐火モルタル、不定形耐火物、耐火断熱れんが分野で持つ研究・開発能力を融合し、互いの技術の補完によって、耐火物の共同研究で良好な成果が挙げたいと考えている。
 
中国鋼鉄とカルデリスはすでに、共同研究の初期段階のテーマを(1)使用済み耐火物による循環型経済、(2)製鉄過程で使用する耐火物の品質向上と新素材の研究・開発、(3)環境に優しい結合剤(バインダー)の技術開発―の3大分野に設定している。
 
カルデリスはまた、中国鋼鉄と「耐火物の優先供給」に関する協定を結ぶ意向も示している。これは、中国鋼鉄グループが必要とする耐火物の供給について、その納期と品質を確保するというもの。
 
中国鋼鉄公司の翁朝棟董事長とカルデリスのCEOであるMichel Cornelissen氏は15日、両社の協力内容を盛り込んだ備忘録(MOU)にも署名した。
 

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