2024/05/07

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政治

「台湾漫画基地」が誕生、台北市華陰街に

2019/01/28
文化部が設置する「台湾漫画基地(Taiwan Comic Base)」が24日に開館した。台湾北部・台北市華陰街36号及び38号にある2棟続き4階建ての古い建物を改修した。開館記者会見では前方画面に台湾の漫画家、故葉宏甲氏の代表作『諸葛四郎』の主人公、諸葛四郎(右)が登場。モーションキャプチャ技術を使って、文化部の鄧麗君部長(大臣、左)と対話した。(文化部公式サイトより)
文化部(日本の文部科学省に類似)が設置する「台湾漫画基地(Taiwan Comic Base)」が24日、約1年に及ぶ工事を終えて開館した。台湾北部・台北市華陰街36号及び38号にある2棟続き4階建ての古い建物を改修した。オープン記念として特別展「台漫六十~尋找軌跡(=台湾漫画の60年:その軌跡を尋ねる)」を開催している。
 
24日に開催された開館記者会見には、各世代を代表する台湾の漫画家や関連分野の関係者が出席した。前方画面には台湾の漫画家、故葉宏甲氏の代表作『諸葛四郎』の主人公、諸葛四郎が登場。モーションキャプチャ技術を使って、文化部の鄧麗君部長(大臣)と対話した。
 
鄧麗君部長は挨拶で、「1月24日は台湾の漫画界にとって、3つの喜ばしい日となった。台湾漫画基地が開館し、欧州最大規模の漫画イベント『第46回アングレーム国際漫画祭』の台湾パビリオンが開館した。そして、台湾漫画基地の芸術総監を務める蕭青陽氏が手掛けたCDジャケットが欧米で最も権威ある音楽アワード「グラミー賞」の最優秀レコーディング・パッケージ賞(Best Recording Package)に5回目のノミネートを受けた。この作品は、台湾の漫画家である傑利小子と小亀工作室がイラストを担当している。これは、台湾の漫画やグラフィックデザインのソフトパワーが国際社会に評価されていることを意味している」と述べた。
 
「台湾漫画基地」は小さいながらもさまざまな機能を備えたスペースとなっている。1階部分は台湾のオリジナル作品の展示販売スペース。台湾の漫画を取り上げた専門の売り場としては台湾唯一のものとなり、海外からやって来た人々に台湾の漫画を知ってもらうための絶好の手段となる。2階と3階では、運営チームがテーマ別に漫画に関する展示やイベントを実施するほか、外部の組織でも申請すれば記者会見、作品発表会、展示などを行うことが出来る。4階は漫画家たち専用の交流スペースとして、創作のための空間と設備を提供する。現在までに仏アングレーム、日本の北九州にある組織などが興味を示しており、交流協力計画の実施を希望しているという。
 
「台湾漫画基地」ではこのほか、漫画家のための法律相談、台湾のオリジナル漫画のためのマッチング商談会、オリジナル作品の創作を奨励するためのコンテスト、漫画に特化したワークショップの開催なども予定している。
 
漫画を描き始めて70年になる漫画家の劉興欽氏は、「1960年代の『漫画審査制』実施によって、すべての漫画が検閲の対象となった時代を経て、近年政府によって漫画が重視されるようになり、ようやく漫画家としての誇りを持てるようになった。台湾の漫画家が、台湾オリジナルの素材を活用し、台湾を代表する漫画のキャラクターを誕生させ、台湾の漫画がより発展できるよう願っている」と語った。
 
オープン記念特別展「台漫六十~尋找軌跡」は2階と3階で開催している。年代ごとに「老漫画新創意(1950-1970年代)」、「新人輩出漫画奨(1970-1980年代)」、「百花斉放漫画誌(1990年代)」、「漫歩台北城」、「原創新世紀(2000年以降)」の5つのエリアに分けている。40数名に上る台湾の漫画家の代表作をもとに、台湾の漫画がたどった60年の歴史を振り返る、いまだかつてない試みとなっている。
 
特別展「台漫六十~尋找軌跡」の開催期間は1月24日から2月28日まで。参観は無料。但し、毎週月曜と旧正月期間(2月4日~8日)は休館となる。

 

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