2024/05/08

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『歴史地図散歩』に台南版が登場、アプリと連動

2019/02/13
中央研究院(台湾北部・台北市南港区)数位文化中心(デジタル文化センター)などはこのほど書籍『台南歴史地図散歩』を出版した。2016年出版の『台北歴史地図散歩』、2018年出版の『台中歴史地図散歩』に続くシリーズ最新作。2015年に発表されたアプリ『台南歴史地図』と連動している。(中央研究院数位文化中心サイトより)
台湾の最高学術研究機関である中央研究院(台湾北部・台北市南港区)の数位文化中心(デジタル文化センター)、人文社会科学研究センター地理資訊科学研究専題センター、それに台湾南部の地域研究者や関係者らが協力し、このほど書籍『台南歴史地図散歩』が出版された。2016年出版の『台北歴史地図散歩』、2018年出版の『台中歴史地図散歩』に続くシリーズ最新作で、2015年に発表されたアプリ『台南歴史地図』と連動した書籍となっている。
 
『台南歴史地図散歩』は23編の文章によって構成される。また、清朝時代から戦後に至るまでの台湾南部・台南市の貴重な地図13点、写真246枚が収録されており、いまと昔の様子を比べ、台南市のかつての姿をありありと想像できるようになっている。景観紹介には二次元バーコードが付されており、スマホで読み取るとアプリ『台南歴史地図』によってその場所の現在地が示され、古い写真や地図によって現在と昔の様子を見比べることができる。まるで時空を超えて、過去に戻ったような臨場感を味わうことができるのが特徴だ。
 
収録されている古い地図は1874年から1976年までのもの。その多くは中央研究院人文社会科学研究センター地理資訊研究専題センターによって提供された。そのうち1874年発行の「台湾府城街道全図」は台湾で最も古い、精密な比例によって制作された市街地の縮尺地図。清末の官僚である沈葆楨が台湾に赴任した際、福建船政学堂(当時の海軍学校)の学生に作らされたもので、清朝時代の台南の街道名や城門の位置などが正確に示されている。また、1940年発行の「台南飛行場平面図」は日本の防衛省防衛研究所から無償で提供された。日本占領時代の台南飛行場内の配置が一目瞭然で、航空史研究にとってまたとない史料でもある。
 
中央研究院数位文化中心は、「アプリ『台南歴史地図』は2015年に発表されていたが、各界の協力によって台南の歴史や文化をさらに掘り下げた書籍『台南歴史地図散歩』が誕生した。これにより、同中心が取り組んできた台南シリーズはより完全な形になった」と評価している。
 
中央研究院数位文化中心は2013年に設立された。1980年代に始まった台湾のデジタルアーカイブプロジェクトを引き継ぎ、国を挙げてデジタル化に取り組んだ560万点の資料を継承し、現在はこうした文化コンテンツのイノベーションへの応用や翻訳などに力を入れている。
 
『台南歴史地図散歩』は1月31日に発売。現在、台湾全土の書店やオンライン書店などで販売されている。現在開催中の台北国際ブックフェアでも展示、販売されている。
 

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