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台北国際ブックフェア開幕、読書の魅力をアピール

2019/02/13
12日に台北国際ブックフェアが開幕、市民に読書の魅力をアピールするとともに、海外にも台湾の多様な出版文化を知ってもらうきっかけとなるよう期待が持たれる。(文化部ニュースサイトより)
12日に開幕した文化部(日本の文部科学省に類似)主催の「台北国際ブックフェア」は、台北世界貿易センター(台湾北部・台北市信義区)第1展示ホール及び第3展示ホールにおいて17日まで開催されている。12日午前に行われた開幕式典には、陳建仁副総統を始め、文化部の鄭麗君部長、蕭宗煌政務次長(副大臣)、ドイツ在台湾協会(台湾におけるドイツ大使館に相当)のThomas Prinz代表(大使に相当) 、世界最大規模の書籍見本市、フランクフルト・ブックフェアのJuergen Boos総裁、ゲーテ・インスティトゥート(ドイツ政府が設立した国際文化交流機関で世界に多くの拠点を持つ)東アジア地区の Marla Stukenberg総院長、主催機関の台北ブックフェア基金会の趙政岷董事長(会長)らが出席し、ブックフェア開催を祝った。
 
「読書正好(Time for Reading)」をメインテーマに掲げた今年のブックフェアでテーマ国に選ばれたドイツ。テーマ国パビリオンでは、今年、誕生100周年を迎えたバウハウス(1919年から1933年まで美術、工芸、デザイン、写真、建築に関する総合的な教育を行った学校)を記念して、バウハウスデザインの100周年記念展示を行う。
 
鄭麗君部長は、開幕のあいさつで「今年ドイツでは、バウハウスの誕生100周年とベルリンの壁崩壊後30年を迎えた。デザイン、芸術、人権、文学、民主主義などあらゆる分野でドイツは、様々な歴史を持つ国家だ」と称えた。
 
鄭麗君部長はさらに、台湾はアジア地域で最も自由で民主的な思想を持つ開放された国家だとして、台湾の出版業界のエネルギーがアジアの文化発展の鍵となり、社会をけん引し続けることができると信じていると強調した。
 
文化部は引き続き台湾の書籍の国際化を推進していく。今年は行政院(内閣)の支援もあり、台湾文学の外国語翻訳関係の予算が2.5倍に引き上げられた。更に台湾文学の研究・収集を行う機関、国立台湾文学館を通じて第1回「翻訳者アーティスト・イン・レジデンス」計画を始動した。より多くの台湾文学を翻訳する外国人翻訳者を台湾に招いて交流を図りたい考えだ。また文化部が長きに渡って推進してきた、台湾の多くの出版社や創作家による作品の海外輸出をサポートするプラットフォーム「Books From Taiwan」を通して、今後も台湾文学をより多くの人に広く知ってもらいたい考えだ。
 
趙政岷董事長は、「台湾の本もデジタル化の影響を受けている。もし皆が勝ち負けだけにこだわり、勝てれば良いと思ったらだれも幸せになれない。今年のブックフェアのメインテーマは読書正好(Time for Reading)、どの年代や年齢に関わらず、皆で読書ブームを巻き起こし、一緒に読書を楽しめるようになってほしい」と呼びかけた。
 
一方、陳建仁副総統は開幕のあいさつの中で、毎年開催している台北国際ブックフェアが、台湾での重要なイベントというだけでなく、国際的にも出版業界における有意義な交流プラットホームだと指摘した。
 
陳建仁副総統はまたテーマ国のドイツについて、「ドイツと台湾は過去数十年に渡り民主主義への転換で苦心してきた。優良な出版業を擁する国家は、自由・民主主義・人権を尊重する開放的な国家で、市民が読書によって視野を広げ、交流を深めることを望み、共に苦心して得た民主主義や自由を大切にしよう」と促した。
 
自由で開放的な出版文化は台湾にとって何物にも代えがたい財産だとする陳副総統は、「将来、台湾が国際社会において、ルーローファン(魯肉飯)、雞排(巨大チキンカツ)、珍珠奶茶(パールミルクティ)といったB級グルメだけ注目されるのではなく、自由で多様な文化や活気あふれる出版業界にも目を向けられるようになってほしい。これこそが台湾の誇りで、今後の努力すべき目標だ」との展望を語った。

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