2024/05/05

Taiwan Today

政治

台湾の作家が空を飛びたいペンギン描いた絵本、英絵本賞にノミネート

2019/02/18
台湾出身の絵本作家Fifi Kuo(郭飛飛)さん(左上)が、子どものペンギンが空を飛ぼうとする心温まる物語『I can fly』でイギリスの絵本の賞「Klaus Flugge Prize」にノミネートされた。(FIFI KUO Illustrationより)
台湾出身の絵本作家Fifi Kuo(郭飛飛)さんが、子どものペンギンが空を飛ぼうとする心温まる物語『I can fly』でイギリスの絵本の賞「Klaus Flugge Prize」にノミネートされた。「Klaus Flugge Prize」はイギリスの出版社Andersen Pressの創業者で、児童書の世界に大きな影響をもたらしたKlaus Flugge氏を記念して2016年に創設された賞。初めて絵本を発表した作家に贈られる。今年は50作あまりが応募。その中から選ばれたノミネート作品20作が12日に発表された。
 
『I can fly』の表紙は大変ユニークで、白字で「I can’t fly」と書かれたタイトルの「can’t」が塗りつぶされ、青い字で「can」に改められているというデザイン。子どものペンギンは空飛ぶ鳥たちにあこがれ、自分も大空を自由自在に飛びたいと考える。一生懸命練習しても結果は失敗の連続。しかしある時、飛び立つのに失敗して深い海に沈んだ子供のペンギンは海こそが自分にとっての大空であることを知り、海の中を自由自在に泳ぎ回ることで、大空の鳥たちをうらやむ必要が無い事を悟る。
 
28歳の絵本作家、Fifi Kuoさんは輔仁大学(台湾北部・新北市など)ランドスケープ学科を卒業後、イギリスのケンブリッジスクールオブビジュアル&パフォーミングアーツ(CSVPA)で児童向け絵本の修士を取得。『I can fly』はFifi Kuoさんにとって初めての絵本作品で、すでにイギリス、米国、カナダ、ドイツ、スロベニアの各言語で出版されている。
 
Fifi Kuoさんはノミネートの知らせを受け、「神様に感謝する。また、自分を支えてくれた人たちに感謝したい。彼らは私の心をいつも温めてくれた。この作品は、多くのことには二つの面があり、異なる角度から見ることで受け止め方も変わってくるということを自分に、そして読者に告げようとしたものだ。自分はいらぬことに頭を悩ますことが多い。だから、『小さなペンギンが海を泳ぎまわることも一種の飛翔だ』と自分に言ってあげたい。『飛び上れなくてもいい。飛行には様々な形式があるんだ』と」と話している。
 
Fifi Kuoさんの作品には、いずれも白と黒で出来たペンギンとジャイアントパンダという大小のコンビが常に現れる。これらの動物を好む理由について、Fifi Kuoさんは、「ペンギンは不思議で美しい生物だと思う。神様によって南極という厳しい環境に送り込まれた。巣を作らず、翼はあっても飛ぶことの出来ない鳥類だ。生涯ただ1羽の伴侶と共に過ごして子どもの世話も交互に行う。こうした関係に自分は感動する。また、パンダはキャラクターの構想段階で、ペンギンと同様に白と黒の動物をペンギンの友達にしようと考えて選んだ」と説明した。
 
今年の「Klaus Flugge Prize」ノミネート作品の20作品から最終審査に進む作品は5月15日に明らかになる。そして最終審査の結果は9月11日に発表される予定。
 
 

ランキング

新着