2024/05/02

Taiwan Today

政治

台湾のxR関連のスタートアップが海外で高評価

2019/02/20
国家発展委員会は現在、xR技術の促進を目指す「XR EXPRESS TW」プロジェクトを展開し、関連のスタートアップに対する支援を行う。最近、台湾のxR関連スタートアップは海外で高く評価されている。写真は台湾の愛実境(iStaging)が提供するVRを使った不動産内覧システム。(国家発展委員会サイトより)
国家発展委員会は現在、xR技術の促進を目指す「XR EXPRESS TW」プロジェクトを展開し、関連のスタートアップに対する支援を行っている。xR技術とは、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、VR(バーチャルリアリティ)などの技術の総称。その成果として、VR/ARやモバイルを中心に投資を行う英国の投資機関「Digi-Capital」はこのほど、2019「AR/VR/MR Leaders」に台湾の愛実境(iStaging)、成境科技(Red Pill Lab)、南瓜虚擬科技(Pumpkin Studio)などのxR関連スタートアップを選出し、これらを米フェイスブックやアマゾンなどの大手企業と並べて評価した。また、日本の権威あるビジネス雑誌『日経ビジネス』は「10年後のグーグルを探せ 世界を変える100社」と銘打った今年1月号で、台湾の光禾感知科技(OsenseTech)を「有望ベンチャー80社」に選んだ。これらはいずれも、台湾のxR関連スタートアップが海外で高く評価されていることを意味する。
 
成境科技はAI(人工知能)の演算機能を活用し、モーションキャプチャ技術を強化した。これは韓国の三大テレビ局の一つであるKBSに採用されている。また、日本のアニメ制作会社である東映アニメーション株式会社が、成境科技とAIの共同開発契約を結んでいる。
 
南瓜虚擬科技は、日本のゲーム大手であるSEGA(セガ)と協力してインタラクティブVRアトラクションを開発。秋葉原(東京都)をはじめ、日本各地のVR体験施設に導入することになっている。
 
愛実境が開発した静態及び動態のVR技術は、フランスの不動産大手Fonciaやニュージーランドの不動産組織などに採用されている。最近は、台湾の鴻海(ホンハイ)グループと協力し、VR内覧プラットフォームを立ち上げる計画を明らかにした。業務範囲は電子商取引、自動車、旅行業界にまで及び、世界50カ国・地域以上でサービスを提供している。
 
光禾感知科技は、画像認識技術とAI演算機能を融合させ、タイのバンコクを走る高架鉄道BTS(スカイトレイン)の駅舎AR仮想広告の受注に成功している。
 
国家発展委員会は2018年3月、「アジア・シリコンバレー計画」の一環として、台湾のARやVR産業の世界市場での商機創出を支援する「XR EXPRESS TW」プロジェクトを立ち上げ、これまでに延べ100社以上のスタートアップを支援してきた。これによって生まれた受注総額は1億3,000万台湾元(約4億7,000万日本円)に達する。
 
「XR EXPRESS TW」プロジェクトはまた、米シリコンバレーを拠点とするVR開発者とAR開発者のための世界最大のコミュニティ「SVVR(Silicon Valley Virtual Reality)」や、xRに特化した日本初のスタートアップ・インキュベータ「Tokyo XR Startups」などとも協力関係を確立している。国家発展委員会は、こうした取り組みが台湾のスタートアップの海外市場開拓に有利になるよう期待を寄せている。
 

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