2024/05/03

Taiwan Today

政治

ドラマ『魂囚西門』がNetflixに、シエ監督「質感の優れたドラマで世界を目指す」

2019/03/18
公共テレビのサスペンスホラー、『魂囚西門(GREEN DOOR)』は映画に匹敵する規模で制作された作品。16日で終了し、Netflixではオン・デマンド放送で全6話が視聴できるように。写真は同ドラマの一場面。左がジャム・シャオ。(公共電視提供、中央社)
公共電視(PTS、公共テレビ)のサスペンスホラー、『魂囚西門(GREEN DOOR)』は4Kの超高画質など、映画に匹敵する規模で制作された作品。2月16日から毎週土曜夜に公共電視チャンネルと米国の映像ストリーミング配信事業会社のNetflixなどで同時に放送された。毎週紆余曲折のストーリーで、次の展開を待ちきれない視聴者が続出していたが16日の放送で終了。Netflixではオン・デマンド放送で全6話がそろい、最初から最後まで一気に視聴できるようになった。
 
自身も連続ドラマが好きで、Netflixもよく利用しているというリンゴ・シエ(謝庭菡)監督は、当初から国際的なプラットフォームでの配信を目標に据え、質感の優れた連続ドラマを撮ろうとした。シエ監督によると、世界的な趨勢としてテレビドラマの質感はますます映画のそれに近づいている。このため『魂囚西門』では映画の規格での制作を目指したのだという。キャストには実力派の俳優を多く起用、脚色や美術、衣装、特殊効果、音声などでも苦心した。さらに、音楽の面では米国のニューヨークでハリウッド方式の録音を参考にしている。こうした努力は全て、世界各地の視聴者に「台湾のドラマは素晴らしい」と感じてもらいたかったからだ。
 
『魂囚西門』は作家・九色夫の小説が原作。キャストには台湾のアカデミー賞とされるゴールデンホース・アワード(金馬奨)、台湾のエミー賞とされるゴールデンベル・アワード(金鐘奨)、台湾のグラミー賞とされるゴールデンメロディー・アワード(金曲奨)の受賞経験がある実力者などをそろえ、キャラクターの細やかな感情描写を得意とするリンゴ・シエ監督がメガホンをとった。シエ監督は2015年、日本の映画プロデューサー、一瀬隆重さんとタッグを組んだ『屍憶-SHIOKU-』で台湾にホラー映画ブームを巻き起こした実績を持つ。今回の『魂囚西門』ではキャラクターの深層心理と人生を描いていく中で、400近いカットで特殊効果を用いている。
 
今回の作品でリンゴ・シエ監督は全ての面で高いレベルを求めたが、中でも音楽には特に強いこだわりを見せた。米国在住の音楽プロデューサー、孫紹庭さんは現在、米国のカーネギー・ホールで働いている。台湾の人で、カーネギー・ホールで録音エンジニアとして勤務するのは孫さんが初めて。『魂囚西門』の音楽では孫さんが中心になって3人の作曲家を集め、米国での映画やドラマの制作と同じ方式で音楽制作を行った。それは作曲家が最初から最後まで画面に合わせて作曲するというもの。孫さんは、「映像の長さが300分。それに合わせて合計112曲を新たに作曲した。最も短いものは45秒。長いものは10分間。同じ曲が使われているシーンはほぼ無い」と話している。
 
また、ハリウッドの伝統的な映画音楽やディズニー映画の音楽は弦楽(ストリングス)が主。このため『魂囚西門』でもストリングスでの音楽が中心となっている。オープニングテーマは米国在住のバイオリニスト、黄懐褕さんが招きに応じてソロを担当。劇中の音楽はジャム・シャオ(蕭敬騰)が歌うエンディングテーマのボーカル部分を台湾で録音した以外、オーケストラによる演奏などは全てニューヨークでレコーディングして完成させた。
 
『魂囚西門』ではジャム・シャオが台湾北部・台北市の西門町に開業している米国帰りの心理カウンセラーを演じる。この心理カウンセラーが幽霊に出会い、これら幽霊の心理カウンセリングを始めることになるというストーリー。交錯するストーリーラインが主人公の心理カウンセラーとそれぞれの幽霊の心とを結びつけながら物語が展開していく。
 
『魂囚西門』 予告編
https://www.youtube.com/watch?v=9Gxu3bBPRBM
 
 

ランキング

新着