2024/05/05

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「台湾傑出女科学家奨」発表、台湾大学の李瑩英さんら

2019/03/19
優れた研究を行う女性科学者を表彰する第12回「台湾傑出女科学家奨」の受賞者が16日に発表された。大賞に相当する「傑出奨」は国立台湾大学数学系(=学科)の李瑩英特聘教授(中央)が、「新秀奨」は国立台湾大学地質系の任昊佳副教授(右)と、国立交通大学電子物理系の周苡嘉副教授(左)がそれぞれ受賞した。(中央社)
優れた研究を行う女性科学者を表彰する第12回「台湾傑出女科学家奨(Taiwan Outstanding Women In Science)」の受賞者が16日に発表された。台湾萊雅(フランスの化粧品会社ロレアルの台湾法人)と呉健雄学術基金会が主催するもので、「傑出奨」1枠のほか「新秀奨」2枠がある。今年の選出分野は、当初の「物質科学」から拡大し、「数学」、「情報科学」を含む3分野となった。
 
大賞に相当する「傑出奨」は、国立台湾大学数学系(=学科)の特聘教授である李瑩英さんが受賞した。台湾の幾何学分野におけるトップレベルの研究者で、リーマン構造とシンプレクティック構造の結合による極小ラグランジュ部分多様体と特殊ラグランジュ部分多様体についての考察と平均曲率流が主な研究対象である。
 
李瑩英さんは子どもの頃、布の販売店で、母親を手伝って商品の計算をしていた。その暗算能力を母親に褒められたことで、数学に強い関心を抱くようになった。数学とは俗世間から離れたり、戻ったりする一面を持っていると李瑩英さんは指摘する。それはまるで、世界を理解するための鍵であり、現実の世界からヒントを得て、何もないところから探しはじめ、思考、推理、演算、検証によって問題解決の方程式を導き出すからだ。
 
また、数学が持つ最大の特徴は、生まれてくる疑問が解決される問題より永遠に多いということだと言う。このため、研究者の脳は常に動き続けていなければならない。そして、数学には、時間や場所の制限を受けないというメリットがある。李瑩英さんは「だから、自分のような家庭を持つ女性にとっては最適だ。例えばエベレストに上ろうと思ったとき、長く飛行機に乗らなければ上り始めることが出来ないが、私たちは机が一つあって、心を落ち着かせることができれば、頭の中で探検を始めることが出来るのだから」と話す。
 
李瑩英さんはまた、「女性の能力は絶対に数学に向いているが、よく直面する問題は『十分な自信を持っていない』ということだ。しかし、数学は実験室もいらなければ、フィールドワークを行う必要もない。男性よりもかえって女性に合っている。重要なことは、数学の研究に必要な視野と態度と能力を同時に持ち合わせていなければならないということだ」と話す。
 
なお、「新秀奨」は国立台湾大学地質系の任昊佳副教授と、国立交通大学電子物理系の周苡嘉副教授がそれぞれ受賞した。任昊佳副教授は珊瑚や海底堆積物の記録を通して、自然と人為的活動が海洋の窒素循環に与える影響を研究している。周苡嘉副教授の専門は半導体ナノ材料と特殊構造の融合。
 

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