2024/05/05

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南港高級工業職業学校のチーム、国際的なロボットコンテスト決勝大会へ

2019/03/19
台北市立南港高級工業職業学校(南港高工)の学生たちが高校生を対象とした国際的なロボットコンテスト「FIRST Robotics Competition(=FRC)」地域大会で新人賞を獲得、決勝大会へコマを進めた。左上から時計回りに、①南港高工と復興実験高校のチーム、②奮闘する南港高工のチーム、③南港高工のロボットに結び付けられた御守り、④自分たちで作った、台湾本島の形のキーホルダーとその金型を見せる南港高工の学生たち。(中央社)。
台北市立南港高級工業職業学校(=南港高工、台湾北部・台北市)の学生たちが高校生を対象とした国際的なロボットコンテスト「FIRST Robotics Competition(=FRC)」で大活躍。「FRC」は国際的な非政府組織であるFIRST (For Inspiration and Recognition of Science and Technology)が主催するロボットコンテスト。毎年米国及び各国から3,850を超えるチーム、10万人近い高校生が参加している。
 
今年の「FRC」は2月末にスタート、米国とオーストラリアの各地で地域大会が続々と開かれている。台湾からは今年、過去最多の20チームが参加して朗報が相次いでいる。桃園市立内壢高級中等学校(=高校、台湾北部・桃園市)のチームが今月9日、米カリフォルニア州サンディエゴで行われた地域大会で新人賞(Rookie All Star)に輝いたのに続いて、18日には南港高工のチームもロサンゼルスの地域大会で新人賞を獲得。この賞は新人チームのためのもので、獲得したチームはワイルドカード(特別出場枠)で4月末にデトロイトで開かれる世界大会に出場することが出来る。
 
台北市にある私立復興実験高級中学(=高校)は昨年に続いて二度目の参加。昨年は新人賞を獲得して決勝大会に進んだが今年は予選で敗退した。それでも17日にはアントレプレナーシップ賞(Entrepreneurship Award)を受賞。この賞はチームとしての優れた運営と管理、並びに「FRC」の理念を広く伝えることに成功したことを評価するもの。
 
南港高工のチームは今回、台湾における職業技術教育の活力を十分に発揮している。金型科、電子科、重機科、機械科の4分野の教師と学生が集結した他、台北市立中正高級中学(台北市)の教師と学生も一部加わって「連合軍」を結成、初参加で地域大会4強入りという異例の快進撃を見せた。同チームのロボットはボールを投げる動作では器用さを、登攀の動作では力強さを見せ、一時は3位まで順位を上げて3日目の準決勝へと進んだ。準決勝では惜しくも敗れ、地域大会決勝にはあと一歩及ばなかったが、新人賞を獲得したことで世界大会への出場権を手にした。
 
金型科の教師、洪嘉駿さんは、「我々の特色は臨機応変な力。それに戦うごとに勇敢になった。最後は他のチームも我々を応援し始め、その声はどんどん大きくなった。特に倒れてもまた立ち上がって戦う精神が支持されたのだろう」と話した。
 
電子科の教師、支裕文さんは最も印象深かったこととして2日目の第1試合を振り返った。ロボットはスタート直後に横転し、身動きが取れなくなってしまった。ところが操縦を担当する学生はそこで機転を利かせ、登攀用のアームを利用して正常な姿勢に戻すことに成功、会場全体から大きな拍手が巻き起こったという。支さんはこの学生の素早い対応を称えると共に、資金面でサポートを受けた道教の廟・松山慈恵堂の祀っている女神「瑤池金母」が守ってくれたのだろうと笑った。ロボットには松山慈恵堂の御守りが結び付けられていた他、ここ2日間はさらに「阿弥陀仏」、「進軍底特律(デトロイトに進軍せよ)」といった文字まで書き込まれていた。
 
支裕文さんは、「FRC」が強調するのが互いに助け合う精神であることを指摘、この試合後、横転して破損した歯車の修理を手伝おうとたくさんのチームが工具箱を持って駆け付けてくれたことについて、「FRC」の掲げる「Co-Opertition」(競争関係にありながら、互いの利益のため協力すること)の精神を身をもって感じることが出来たと話した。
 
 

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