2024/05/14

Taiwan Today

政治

蔡総統、マーシャル諸島で女性リーダー集めた国際会議に出席

2019/03/27
マーシャル諸島を訪問した蔡英文総統は26日、地域の女性リーダーを集めた国際会議「Pacific Women Leaders' Coalition Conference」にゲストとして出席した。また、マーシャル諸島に住む女性の起業に対して少額貸与を行うファンドを立ち上げるための覚書調印式に立ち会った。(総統府サイトより)
南太平洋の国交樹立国(パラオ、ナウル、マーシャル諸島)を外遊中の蔡英文総統は現地時間26日午後(台北時間26日午前)、マーシャル諸島で開催された地域の女性リーダーを集めた国際会議「Pacific Women Leaders' Coalition Conference」にゲストとして出席した。
 
会議ではまず、マーシャル諸島のヒルダ・ハイネ(Hilda C. Heine)大統領が開会の祝辞を述べた。ヒルダ・ハイネ大統領は、台湾とマーシャル諸島は緊密な関係にあるほか、ジェンダー平等の促進は一つの課題であるという共通認識を持っていると指摘。「ジェンダー平等に関する議題は、往々にして『より重要な』議題に取って代わられたり、あるいは最終段階になって議題から外されたりする。しかしながら、我々は引き続き努力し、こうした状況を変えていきたいと考えている」と述べた。
 
蔡英文総統はこの会議で基調講演を行った。その概要は以下の通り。
 
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台湾は太平洋という大きな家族の一員であり、今日、この会議に参加できることは非常に有意義なことだと考える。台湾に住む先住民族の文化では、女性がたびたび家族をリードする中心的役割を果たす。また、先住民族や集落の中には、公共事務の参与において、男性と女性に対して同様に開放的な態度をとっているケースも少なくない。
 
オーストロネシア語族の文化圏にも、非常に似たような伝統があるという。現在、太平洋諸国から台湾にやって来る各国の大使は大部分が女性である。これは最も良い例だ。マーシャル諸島共和国、パラオ共和国、ナウル共和国、キリバス共和国、ツバル共和国と、いずれの大使も女性である。
 
世界銀行はこのほど、世界各国のジェンダー平等の状況をまとめたレポート「女性・ビジネス・法律(Women, Business and the Law)」2019年版を発表した。それによると台湾のスコアは91.25で、アジア諸国でトップだった。女性の雇用に対するあらゆる制限を解消しているのは世界でわずか6カ国しかなく、台湾はそのうちの1つに挙げられた。
 
今月、台湾の海軍には史上2人目となる女性の上校の艦長が誕生した。台湾ではすでに、優秀な女性の戦闘機パイロットも誕生している。台湾は10数年前からジェンダー平等を推進してきた。この10年間、台湾では「女性創業飛雁計画(Women Entrepreneurship Flying-Geese Program)」の成果もあり、女性起業家の比重が36%まで高まっている。
 
台湾の女性起業家に対する支援は国境を越えて行なわれている。2016年、台湾とアメリカはAPEC(アジア太平洋経済協力)の枠組みの下、「APEC女性及び経済のためのサブファンド(APEC Women and the Economy Sub-Fund)」を設立。資金援助を通して女性起業家を支援し、職場での活躍を応援している。
 
今年6月と11月、台湾では「汎太平洋東南アジア婦人協会(PPSEAWA)年次大会」と「第4回世界女性シェルター会議(4th World Conference of Women’s Shelter, 4WCWS)」が相次いで開催されることになっている。台湾は長期的に、この地域のジェンダー平等運動において、より活発な役割を果たす決意だ。
 
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蔡英文総統は同日、「中華民国(台湾)政府とマーシャル諸島共和国政府による女性の起業に対する少額のリボルビングローンファンドに関する覚書(Memorandum of Understanding between the Government of the Republic of China (Taiwan) and the Government of the Republic of the Marshall Islands regarding Women Business Start-up Small Loan Revolving Fund)」の調印式に立ち会った。外交部(日本の外務省に相当)の呉釗燮部長(=大臣)とマーシャル諸島のアメンタ・マシュー(Amenta Matthew)文化・内務大臣が調印に臨んだ。
 
蔡総統は調印式で、「昨年夏、ヒルダ・ハイネ大統領が台湾を公式訪問した際、女性のエンパワーメントについて深い意見交換を行った。最終的に、女性の起業に対して少額貸与を行うファンドを両国が立ち上げることで一致した」と説明。また、このファンドが永続的に活用され、マーシャル諸島で起業を目指す女性たちに必要な初期投資を提供し、より起業に適したビジネス環境を作り上げることを期待していると述べた。
 
蔡総統はさらに、「台湾の経験が証明するように、女性の起業や就労は、国の全体的な経済成長をもたらし、社会により活力を与える。これは一挙両得ならぬ、一挙『数』得だ。台湾の例をもとに、ジェンダー平等実現のためにより具体的な行動を促したい」としてこのファンドがマーシャル諸島の女性たちに夢を実現する機会を与えるよう期待を寄せた。
 

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