2024/05/05

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疾管署、毒蛇情報提供サービスを開始

2019/04/03
衛生福利部疾病管制署は、毒蛇や狂犬病に感染したシナイタチアナグマの出没地域や被害に遭った際の医療情報などをウェブサイトで提供する。また、AI技術を活用し、毒蛇の写真を送ると種類が識別できるサービスもある。(中央社)

衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)疾病管制署(疾管署)は2日、ウェブサイト上の情報サービス「毒蛇鼬獾咬傷救急資訊站(毒蛇・シナイタチアナグマに噛まれた際の救急情報ステーション)」を発表した。これで、万が一屋外で蛇に遭遇しても、慌てずに対処できるようになるよう期待が持たれる。

台湾では年間約1,400人が毒蛇に噛まれる事故が発生している。もし毒蛇に噛まれた後、血清治療を行わなければ、その死亡率は6%に達するという。キャンプやハイキングなどのアウトドア・アクティビティを楽しむ人が年々増える中、屋外には毒蛇や狂犬病に感染したシナイタチアナグマに遭遇する危険も潜んでいる。そこで、それらの生息や分布の状況を把握することができれば、事前に予防のための準備が可能となる。

しかし、大部分の市民は毒蛇やシナイタチアナグマの出没場所や万が一噛まれてしまったときの応急措置に対する知識がないのが現状だ。そこで疾管署は、行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)動植物防疫検疫局(防検局)、特有生物研究保育センター、野性動物のロードキル(交通事故死)に関する研究をする路殺社などと協力して、「毒蛇鼬獾咬傷救急資訊站」を立ち上げた。

「毒蛇鼬獾咬傷救急資訊站」では、情報をわかりやすくビジュアル化し、毒蛇とシナイタチアナグマの出没場所や応急措置などの医療情報を提供している。所在地から毒蛇の出没記録があるかも調べられる。万が一、毒蛇に噛まれてしまった場合は、速やかに、付近の血清治療が行える医療機関を探し出すことができる。

このウェブサイトは人工知能(AI )の技術が活用されており、毒蛇の疑いがある蛇を見かけた時に、スマートフォンで撮影した写真を送ると、毒蛇の種類が識別でき、医師による判断も受けることができる。

疾管署は台湾で唯一、抗ヘビ毒血清を生産・提供している機関だ。毎年の生産量は、5,000~6,000本で、実際に使われるのは3,000~4,000本だ。人が毒蛇に噛まれた場合、4~8時間以内に血清治療を受ければ、順調に回復すると言われている。

台湾でよく見られる毒蛇の種類は、出血毒のタイワンハブ、タイワンアオハブ、ヒャッポダ、神経毒のインドコブラ(別名めがねへび)、アマガサヘビ、出血毒と神経毒の両方の毒性を持つラッセルクサリヘビ。

タイワンハブは茂みや集積した小枝に隠れていることが多く、噛まれる人の多くは足やつま先に被害を受ける。タイワンアオハブは、枝まで登っているので、上半身や手指を噛まれることが多い。

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