2024/05/06

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政治

世界読書デーに合わせ、100本超のコースで読書と散策を融合

2019/04/18
23日の「世界読書デー」に合わせ、文化部が図書館や博物館、独立系の書店と共に、各地の文化や歴史を理解できる、読書と散策を組み合わせた「行脚」を100コース以上実施する。写真は17日、「行脚」の1日ガイドを務める鄭麗君文化部長(前列右から3人目)。(文化部サイトより)
文化部(日本の省レベル)の鄭麗君部長(大臣)は17日、「2019年世界読書デー」活動開幕記者会見に出席した。「世界読書デー」は4月23日で、ユネスコ(国連教育科学文化機関)が定めた国際デー。「世界図書・著作権デー」とも称される。記者会見にはベテランのテレビ・ラジオパーソナリティ、于美人さん、弁護士の頼芳玉さん、作家の張恵菁さん、並びに最近台湾黒熊(タイワンツキノワグマ)の保護活動に加わったフランスの写真家、Jimmy Beunardeauさんらが駆けつけて同活動をサポートした。
 
文化部が「世界読書デー」に呼応した活動を行うのは今年で3回目。今年は「走読台湾」(読書しながら歩いて回る台湾)がテーマで、台湾全土の図書館や博物館、独立系の書店を結び付けて各地の特色豊かな「読書行脚」のルートをデザインする。読書と散策を融合した「行脚」の過程で参加者は文化や歴史、風景の今昔を対比して体験できるほか、関連の図書に対する興味も持つようになる。文化部では、みなが旅をしながら読書することで読書をいっそう楽しんでほしいとしている。
 
鄭麗君文化部長は、かつての言い方である「読萬巻書不如行萬里路」(本を1万冊読むぐらいなら1万里の旅をした方がいい)に触れ、今では「読萬巻書也可以行萬里路」(1万冊の本を読んで1万里の旅をすることもできる)に考えを改めるべきだと主張、読書で得られた感動が本に書かれた場所を実際に訪れることで読者の心の中にずっと残り、息づいていくことに期待した。鄭文化部長はまた、こうした行動が台湾を自由な創作活動を守る「トーチカ」とし、知識社会の形成にも寄与することを希望した。
 
さらに鄭文化部長は、読書を通じた思考能力や判断力の養成は国にとって重要なソフトパワーであるとの見方を示し、積極的な読書の普及、実体店舗を持つ書店の発展及び変革の指導、デジタル書籍のプラットフォームを利用した読書及びデジタル出版の奨励など、文化部がこれまでに進めてきた様々な取り組みを紹介。文化部はまた、教育部(日本の文科省に類似)と協力して読書教育の推進や小中学校における優良参考図書の紹介に努めるなど、読書習慣の強化と読書人口の拡大に長期にわたって取り組んでいるという。
 
「2019年世界読書デー」活動は4月20日より5月5日まで。各地で100を超える読書と散策を融合したイベントが行われる。記者会見では、友善書業供給合作社の石芳瑜理事と、東南アジアをテーマにした書店である「燦爛時光(Brilliant Time: Southeast Asia-themed bookstore)」の張正店長が100店近い独立系書店が計画するイベントを紹介した。桃園市(台湾北部)の「瑯嬛書屋」では書店10店をとりまとめ、桃園市での「読書行脚」を5回実施する。昔の桃園市に関する物語、「眷村」めぐり、水路めぐり、市内に残る中国大陸雲南省やミャンマー文化などがテーマ。「眷村」は、1949年以降、国民政府と共に中国大陸から台湾に渡って来た人たちが暮らした集落のこと。また、台湾中南部の「嘉義独立書店聯盟-書式生活」は、1泊2日で「詩路思路、走読阿里山文学地景」(詩の道と思考の道、阿里山に関する文学の風景探訪)を行うことにしている。
 
 

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