2024/05/06

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宜蘭県の小学生2人が青少年発明工夫展の予選で金、インドネシアでの大会出場へ

2019/04/25
宜蘭県の小学生2人が、浸水すると壁のコンセントから自動的にプラグが外れて漏電を防ぐ装置を発明し、10月にインドネシアで行われる世界青少年発明工夫展(IEYI)に出場することに。写真は2人が発明した装置。水位が上がると赤色のフロートが上昇し、一定の高さに達するとコンセントに取り付けられた緑色の部分が外れて落ちる。すると上部にある透明のカバーが支えを失ってコンセントに蓋をすることになる。(自由時報より)
台湾北東部の宜蘭県にある宜蘭県五結郷学進国民小学(小学校)の生徒、簡雋さんと蒋秉晏さんが発明した「浸水防止・壁コンセント(ソケット)装置」は、浸水で水が一定の高さに達すると自動的にプラグが外れ、コンセントに水の浸入を防ぐ蓋がされる装置。このほど世界青少年発明工夫展(International Exhibition for Young Inventors, IEYI)の台湾予選で金賞を獲得、10月にインドネシアで行われる大会(IEYI)に台湾を代表して参加することになった。2人は出場が決まったことを喜び、「宜蘭と台湾に栄誉をもたらしたい」と意気込んでいる。
 
小学4年生の簡雋さんは、台風や豪雨のため台湾で海抜が低い土地や窪地では浸水が発生しやすいにもかかわらず、多くの壁コンセントは床に近いところに取り付けられていて浸水で漏電が起きやすいと指摘。コンセントに水が入るのを防ぐためのカバーも売られているが、手でプラグを抜いた上で蓋をする必要があり、家に人がいなかったり、気付かなかったりした場合は効果を発揮出来ず便利ではない。簡雋さんはこのため、特に水害は突発性が高いことも考慮して、「浸水防止・壁コンセント装置」の開発を思いついた。
 
この装置は弾性力、浮力、及び機械原理を活用している。水位が上がるにつれてフロートも上昇、一定の高さに達するとバネが作動してプラグがコンセントから外れる。上に取り付けられた防水カバーはそれによって支えを失い、自動的にコンセントに蓋をする。そしてさらにブザー音を発して浸水を周囲に知らせる。簡雋さんは、水害は突然やってくるが、家の人が深夜で熟睡していてもこの装置があれば浸水に気付くことが出来ると強調している。
 
開発前には1カ月かけて、似通った特許が出願されていないかどうかを調べ、台湾で同じような装置が無いことを確認した上で設計に入った。発案から設計、完成まで少なくとも4カ月を費やしたという。
 
小学5年生の蒋秉晏さんによると構造はシンプル。バネはダブルクリップを利用して一部の部品は3Dプリンターで成形した。装置全体は約2カ月間テストを繰り返して、水位がどれだけ高くなろうがコンセントが完全に密封されて水の浸入を防げるようにした。構造はシンプルながら、プラグを外すのに十分なバネの力を確保するため様々な材料を試し、最終的には面積が小さく、力の強いダブルクリップをキー的な部品として採用した。
 
「浸水防止・壁コンセント装置」は世界青少年発明工夫展の台湾予選で金賞を獲得した他、最近教育部(日本の文科省に類似)がメイカームーブメントに呼応して行った、ものづくりの力を競うコンクール、「自造教育及創新科技実作競賽」でも銅賞を受けている。
 
 

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