2024/05/02

Taiwan Today

政治

感染症予防の「新南向政策」、ベトナムの結核予防を台湾が支援

2019/05/14
衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)は13日、ベトナムを対象とした結核予防の国際ワークショップを開始した。ベトナムは結核と、標準治療薬が効かない多剤耐性結核の罹患率が高い国の一つであり、台湾はベトナムと結核予防分野で交流を深めると同時に、実務経験を共有したい考え。(衛生福利部疾病管制署サイトより)
世界保健機関(WHO)の統計によると2017年、全世界の結核患者は1,000万人を超えた。そのうち約6割は東南アジアや西太平洋地域の患者。中でもベトナムは、結核と、標準治療薬が効かない多剤耐性結核の罹患率が高い国の一つだ。衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)は13日、ベトナムを対象とした結核予防の国際ワークショップを開始した。
 
政府が掲げる「新南向政策(東南アジア及び南アジアにオーストラリア、ニュージーランドを加えた合計18か国との交流を強化する政策)」の下、台湾では近年、これらの国々との経済・貿易や民間交流が活発化している。衛生福利部疾病管制署(CDC)は2018年、結核菌の越境感染を防ぎ、これらの国々と感染症予防の経験を共有するため、ベトナムを対象とした結核予防の国際ワークショップを開催した。これが好評だったことから、今年も同様のワークショップを開催することを決めた。ベトナムと結核予防分野で交流を深めると同時に、実務経験を共有したい考え。
 
台湾の新規結核患者数は減少傾向にあり、2018年は9,180人まで減った。人口10万人当たりの結核罹患率は、2005年の73人から、2018年は39人まで減っている。
 
疾病管制署の荘人祥副署長は、台湾の結核対策の成果は国際社会と共有する価値のあるものだと指摘。それには、長年積極的に取り組んできた結核患者に対するDOTS(直接服薬確認療法)、ハイリスクの潜在性結核感染症の治療、多剤耐性結核患者への医療ケアといった予防や治療対策から、山間部で積極的に展開している結核患者実態調査、結核菌に感染する可能性が高いグループや多剤耐性結核患者と接触した人に対する潜在性結核感染症検診といった治療前の計画を含むと説明した。
 
ベトナムを対象とした結核予防の国際ワークショップは13日から24日まで開催されている。参加するのはベトナム・クアンニン省の衛生当局が推薦した、ハロン市やカムファ市で結核予防に取り組むスタッフ14名。専門は公衆衛生、臨床、検査など多岐に及ぶ。
 
これらのメンバーは結核予防をテーマにしたシンポジウムに参加するほか、台北市立萬芳医院(=病院)で「多剤耐性結核症医療ケアシステム」を視察するほか、新北市衛生局を表敬訪問する。また、グループ別に衛生福利部疾病管制署の分区管制中心、衛生福利部疾病管制署の検験及疫苗研製中心、萬芳医院、衛生福利部胸腔病院などを訪れて、それぞれ実務的な交流を深めることになっている。
 

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