2024/05/06

Taiwan Today

政治

第2回「台湾EU人権コンサルテーション」、ブリュッセルで開催

2019/05/15
外交部は14日のニュースリリースで、台湾とEU(欧州連合)がブリュッセルで開催した第2回「台湾EU人権コンサルテーション」の詳細を明らかにした。双方はこの会議で、台湾とEUを含む人権保護の現状について意見を交換した。(外交部)
台湾とEU(欧州連合)は14日、ブリュッセルで第2回「台湾EU人権コンサルテーション」を開催した。和やかな雰囲気の中、友好的且つ建設性のある議論が交わされた。台湾とEUは、双方が共有する民主主義、人権保護、法治主義といった価値観を再確認した上で、共通の利益と価値観に基づき、さらに緊密な協力を展開することで合意した。双方はこの会議で、台湾とEUを含む人権保護の現状について意見を交換した。
 
EU側はこの会議で、近年台湾の人権分野での進展を称えながら、死刑執行モラトリアム(事実上の死刑廃止)を政策としていた台湾で、2018年に死刑が執行されたことについて「遺憾」だと述べた。また、死刑制度が威嚇効果を持たず、非人道的で不可逆的刑罰であるとするEUの立場を繰り返した。これに対して台湾側は、死刑制度に関する政府の立場を明確に説明した上で、あらゆる関連のパートナーと引き続き協力する考えだと述べた。このほか台湾側は、EU域内で身柄を拘束されている、あるいは服役している台湾人の人権保護を求めたほか、2年前から中国で身柄を拘束されている台湾のNGO職員、李明哲さんの状況についてもEUと議論した。
 
今回の会議では、国連が採択した国際人権条約の国内法化に努めていること、人権問題に関して厳格な審査制度を設けていることなど、台湾の具体的な成果が評価された。EUはその上で、台湾の政府がさらに国際人権条約の国内法化に取り組むこと、人権保護に関するアクションプランを設定し、国家レベルの人権保護機関を設立すること、人権指標の使用などで進展があることを望むとした。双方は、台湾で働く外国人労働者の問題についても言及。特に漁業、在宅介護、工業分野で働く外国人労働者が差別、虐待、搾取を受けないようにしなければならないと強調した。この点については、今月6日と7日に台湾で開催された「漁工工作及生活条件座談会(漁業従事者の業務と生活条件に関するワークショップ)」でも双方が合意したばかり。
 
今年度の「台湾EU人権コンサルテーション」では、刑務所や拘置所の条件について見直したほか、EUと台湾が互いにLGBTI(性的マイノリティの総称)の権益保護やジェンダー平等に関する政策についてブリーフィングを行った。また、今回は初めて台湾の先住民族の権益についても意見交換が行われた。さらに、「ビジネスと人権」の議題についても議論し、台湾が「ビジネスと人権に関する国別行動計画(National Action Plan)」を策定する方向で検討することや、EUがそれに必要な協力を提供することなどで一致した。また、フェイクニュースが言論の自由に与える衝撃、SNSの社会的責任などについても意見が交わされた。
 
台湾とEUは来年、3回目となる「台湾EU人権コンサルテーション」を台湾北部・台北市で開催し、今回議論された内容について密接な協力関係を築いていくことで一致した。
 

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