衛生福利部（日本の厚生労働省に類似）の陳時中部長（=大臣）は17日、WHO総会への出席を目指す台湾代表団を率いて台湾を出発する。衛生福利部は15日夜、映画『アベンジャーズ／エンドゲーム』を彷彿とさせる動画をフェイスブックページで公開し、台湾代表団が17日に出発することを予告した。動画には陳時中部長のほか、行政院（内閣）の陳其邁副院長（=副首相）も出演。台湾の人々のために健康を享受する権利を勝ち取ることを誓った。
世界保健機関（WHO）の最高意思決定機関であるWHO総会（世界保健総会、WHA）は20日から28日まで、スイス・ジュネーブで開催される。台湾は2009年以降、8年連続でオブサーバーとしてWHO総会に参加してきたが、2017年と2018年はWHO事務局から招請状が届かず、2年連続で参加を見送った。今年も現時点までに招請状が届いておらず、3年連続で参加できない可能性が高まっている。
陳其邁副院長は動画の中で、「困難な局面ではあるが、我々はもう一度努力したい。世界は変わった。台湾はまだWHO事務局からの招請状を受け取っていないが、依然として諦めない」と語る。
これに続けて陳時中部長は、「最善を尽くす方法とは、ときには勇気をもって第一線に立ち、勝ち取ることだ。世界の片隅には依然として健康格差の状況が存在する。『そんなこと構わず、内部のことだけ気に掛けていればいい』という人もいるだろう。そうできる人もいる。しかし台湾には、それはできない」と語る。
これらのセリフは、映画『アベンジャーズ／エンドゲーム』をオマージュしたもの。フェイスブックページでも「世衛行動団Avenger、5/17 即将出征（=WHO総会台湾アクションチーム・アベンジャーズ、5/17出動）」と書かれており、映画『アベンジャーズ／エンドゲーム』を連想させるようになっている。衛生福利部の王哲超報道官はこれについて、「最近の映画人気にあやかって、WHO総会に参加するために出発する台湾代表団が、正義のチームとして暗黒の世界に立ち向かい、台湾の人々のために健康を享受する権利を勝ち取ろうと努力するのだ、という精神を伝えるため」と説明している。