2024/05/03

Taiwan Today

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黄心健さんのVR作品、カンヌ「監督週間」で各国のキュレーターの注目浴びる

2019/05/16
ニューメディア・アーティストの黄心健さんが米国の前衛音楽家、Laurie Andersonさんと制作したVR作品がカンヌ映画祭の「監督週間」イベントで注目され、各国から出展要請が相次いでいる。写真はかつて防空壕だった展示場所をVR技術で宇宙空間に変身させた作品。(台北市電影委員会提供、中央社)
台湾のニューメディア・アーティスト、黄心健(Hsin-Chien Huang)さんが米国の前衛音楽家、Laurie Andersonさんと共同制作した一連のVR(仮想現実、ヴァーチャルリアリティ)作品が14日(フランス時間)、カンヌ国際映画祭の「ディレクターズ・フォートナイト(Director’s Fortnight=監督週間)」イベントで注目を集め、各国のキュレーターたちからの出展要請が相次いでいる。
 
「ディレクターズ・フォートナイト」はカンヌ国際映画祭と並行して行われるイベントで、フランス監督協会が主催するもの。黄心健さんは同イベントでキュレーターを務めるPaolo Morettiさんから直接出展要請を受け、4年間にわたるLaurie Andersonさんとのコラボレーションから生まれたVR作品を全て展示した。2017年の第74回ヴェネツィア国際映画祭のヴァーチャルリアリティ部門で最優秀VR体験賞を受けた「沙中房間(Chalkroom)」、並びに最新作の「登月(To the Moon)」と「高空(Aloft)」も含まれる。
 
キュレーターのPaolo Morettiさんは開幕式で、黄さんとAndersonさんによる作品は独特の伝え方と視点を提示し、極めて強い浸透力を持つ一方で技術的な束縛は受けていないとして、「映画制作に関わる人たちが見習うべき目標」だと絶賛した。Laurie Andersonさんは、VRの世界では全ての人がクリエイターで、自分の想像の世界に足を踏み入れて自分だけの世界を創り出すことが出来ると話した。黄心健さんは主催者がVR作品の展示に適した空間を用意してくれたことで、アーティストは才能を自由に発揮できると感謝すると共に、VRの分野における台湾の優れた点を紹介、特にハード面では世界をリードする立場だと強調した。
 
また、黄心健さんが台湾の音楽アーティスト、林強(リン・チャン、リム・ギョンとも)と共同制作したVR作品、「失身記-前篇」もカンヌ国際映画祭フィルムマーケットのXRコーナーで初めて展示される。XRとはVR、AR(拡張現実)、MR(複合現実)などの総称。同作品は台湾の歴史を元にしたもので、監督の幼少期の思い出から始まり、戒厳令をしいた軍と政府、外来の植民文化、そしてデジタル時代が人間性にもたらした変化を描いた、現実を超えた物語だという。
 
 

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