2024/04/28

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台湾の詩人、陳育虹さんが仏「文学の夜」朗読活動参加へ

2019/05/21
台湾の詩人、陳育虹さんが今月25日にパリで行われる朗読イベントに参加する。陳さんは朗読用に10作品を選んでおり、Marie Laureillard女史と台湾出身の俳優が翻訳と朗読を行う。写真は陳育虹さん。(文化部サイトより)
2017年に詩集『閃神』で聯合報文学大奨(賞)を受賞した詩人、陳育虹(Chen Yuhong)さんが今月25日にフランス・パリで行われる朗読イベントに参加する。聯合報文学大奨は台湾の大手新聞社、聯合報が設立した文学賞。このイベントは同国の「巴黎外国文化中心論壇(Forum des instituts culturels étrangers à Paris, FICEP)」による「文学の夜(Nuit de la littérature)」朗読活動で、陳育虹さんはイベントでの朗読用に10作品を選んでいるという。翻訳者のMarie Laureillard女史と台湾出身でフランスを拠点とする俳優、楊宜霖さんがそれぞれ通訳とフランス語での朗読を行う。
 
フランスにおいて人文・思想、文学の翻訳書を出版することで知られるCircé出版社は昨年末に陳育虹さんの作品集『我告訴過你』(Je te l’ai déjà dit)のフランス語版を出版した。陳さんが2002年から2016年までに書いた詩80作品あまりを収録。リュミエール・リヨン第2大学東アジア学部で教鞭をとる中国語の教授、Marie Laureillardさんが翻訳した。
 
50歳を過ぎてから詩の創作に専念し始めた陳育虹さんはその豊富な人生経験で様々な題材を器用かつ自然に取り入れ、生命力と浸透力あふれる作品を生み出している。Marie Laureillardさんはフランス語版の前書きの中で、陳さんの詩を「12月の流星群のように、傷跡を残さずあなたの心を突き抜けていく矢だ」と形容し、読者を独特の世界へと誘った。Marie Laureillardさんは、陳育虹さんが詩の中で表現する情感は禅の境地である「空」や「無」の思想で、万物を包括する思考レベルにあると同時にその起源に対する郷愁も表していると説明、「その詩は自らの限りある人生を超越している。その視野は物事の表面的な姿を透視し、その内面と宇宙全体とのつながりまでを見つめている」と述べた。
 
「文学の夜」は各国がそれぞれパリに設けている文化センターが毎年5月の最終土曜日に合同で行うイベント。参加する各国の文化センターはそれぞれ、近年フランスで翻訳書が出版された自国の作家の文学作品を推薦し、その作家をイベントに招くと共に、翻訳者、時には俳優も加わって作品を朗読で紹介する。
 
今年のイベント会場はパリ・モンマルトルの特色あふれる芸術エリア、Alley Concept Streetにある。イベントは午後6時から11時まで。正時ごとに20分間の朗読が行われ(6時、7時、8時、9時、10時)、朗読のあとには聴衆からの質問に作者たちが答える時間が20分間設けられるということ。
 
 

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