2024/05/03

Taiwan Today

政治

高雄とソロモンの大学及び病院が協力、医療外交を強化

2019/06/10
私立高雄医学大学と同大学附設中和紀念医院は6日、ソロモン諸島のソロモン国立大学及び国立中央病院とそれぞれ協力意向書(MOU)を結んだ。高雄医学大学の鐘育志校長(=学長)や中和紀念医院の侯明鋒院長など一行7名が、台湾から6,000㎞余り離れたソロモン諸島を訪問し、調印式に参加した。(高雄医学大学提供、中央社)
私立高雄医学大学(台湾南部・高雄市)及び同大学附設中和紀念医院(高雄市)は6日、ソロモン諸島のソロモン国立大学及び国立中央病院とそれぞれ協力意向書(MOU)を結んだ。高雄医学大学の鐘育志校長(=学長)、中和紀念医院の侯明鋒院長など一行7名が、台湾から6,000㎞余り離れたソロモン諸島を訪問し、調印式に参加した。台湾側が約120万台湾元(約410万日本円)相当の教学及び医療資源を寄贈し、医学分野や学校同士の関係を強化し、医学外交を強化する。
 
高雄医学大学とソロモン諸島の関係は2006年までさかのぼることが出来る。同年、高雄医学大学附設中和紀念医院とソロモン国立中央病院が姉妹提携を結んだ。2009年には中和紀念医院がソロモン諸島での台湾衛生中心(Taiwan Health Center)設置計画を正式に受け継ぐことが決まり、中華民国政府の外交政策に協力し、医療スタッフをソロモン諸島に派遣することになった。現在ではソロモン諸島にある9つの州全てに医療スタッフを派遣している。2013年にソロモン諸島にソロモン国立大学が誕生すると、高雄医学大学は同大学と姉妹協定を結び、現在に至る。
 
高雄医学大学の鐘育志校長(=学長)と同大学附設中和紀念医院の侯明鋒院長は6日、ソロモン国立大学及び国立中央病院とそれぞれMOUを結んだ。そのうち高雄医学大学は、政府(外交部、教育部、科技部)が提供する「台湾奨学金」を受給する留学生を受け入れるほか、独自の奨学金をソロモン国立大学の教員に提供し、高雄医学大学で修士号や博士号の学位を取得できるようにする。これにより、ソロモン国立大学の教員及び学生のレベル向上を目指す。高雄医学大学は2009年以降、すでに18名のソロモン人留学生を受け入れている。11名はすでに卒業しており、うち5名は修士号を取得。ソロモン帰国後も母国の発展に寄与している。
 
また、高雄医学大学附設中和紀念医院は、ソロモン国立中央病院から毎年2名の医療従事者を受け入れ、無料で人材育成に協力する。人材育成費用のほか、宿泊費、生活費なども提供し、往復航空券も台湾側が負担する。これにより、台湾とソロモンの友情を固め、安定した関係を築き上げたい考え。
 
同医院の侯明鋒院長によると、2006年から10数年以上続くソロモン国立中央病院との関係により、これまでに台湾から400名以上の医療関係者がソロモン諸島を訪れ、交流を深めている。特に2013年にソロモン諸島でデング熱の感染が拡大した際は、高雄医学大学附設中和紀念医院が素早く救援チームを派遣したことで、感染のさらなる拡大を抑えることが出来た。また、ソロモン諸島からはすでに医師34名が高雄医学大学で訓練を受けており、帰国後に病院の要職についている人も少なくない。人材の育成や健康分野での協力は、すでに豊富な成果を挙げている。
 
高雄医学大学はこれまでに2,000万台湾元(約6,900万日本円)余りに相当する医療器材や設備を購入し、ソロモン国立中央病院に寄贈してきた。今回は衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)、外交部(日本の外務省に相当)、国防部(日本の防衛省に相当)の協力の下、中華民国海軍による遠洋練習航海「敦睦遠航訓練支隊」を利用し、ステンレス製トレッチャー、医療用ベッド、マスク、手洗い洗剤、医薬品、CPRマネキン(救命訓練用人形)、医学書など、医療や教学に関する物資をソロモン諸島に送り届けた。
 
南太平洋に位置するソロモン諸島は900以上の島々からなり、総人口は60万人余り。台湾の先住民族と同じオーストロネシア語族である。中華民国(台湾)は1983年にソロモン諸島と正式な外交関係を結んで以来、同国の農業、教育、医療・衛生、交通機関などの発展に協力してきた。ソロモン諸島もまた、台湾が国連やWHO(世界保健機関)、その他の国際組織や地域組織に参加できるよう支援しており、双方は緊密な関係を築き上げている。
 

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