2024/05/04

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金門の小学生画家・楊宸安さん、海外の有名画家が注目

2019/06/12
水彩画を描いている10歳の楊宸安さん。描き始めると2,3時間は座ったままで、創作に集中するという。(楊文斌さん提供、中央社)
台湾の離島・金門に住む10歳の安安こと楊宸安さんの水彩画が「野性的でのびのびした魅力にあふれる」と海外の著名画家から注目を集めている。楊宸安さんの父で画家の楊文斌さんは、絵を見た人たちから「父親より息子の絵の方が上手」というのを聞き、とても光栄なことだと喜んでいる。
 
楊文斌さんはかつてスペインに留学した経験があり、25歳で金門に戻ってきた。それ以降15年来、絵を教えることをメインとして、展覧会などへの出品には消極的だった。そのような生活の中で、息子について楊文斌さんは「7歳以前の息子の落書きは、同年代の子供たちの物と変わりなかった。だから、これで息子は自分と同じ道を進まないと安堵した」という。
 
楊宸安さんは、7歳になった夏休みに、父・楊文斌さんに対し、「金門島に立ち並ぶ守護神『風獅爺』を見に行きたい」とせがんだ。風獅爺を見た後、楊宸安さんは100枚以上の風獅爺を描いたという。翌年、写生に連れて行ってほしいと言った楊宸安さんは、父親の絵画教室の生徒と一緒に、1日2~3枚の絵を描くようになった。
 
絵に興味を持つようになった息子に対し楊宸安さんは、「画一的な教え方はしたくなかった」と強調した。そこで、3人の有名な現代水彩画家( Joseph Zbukvic氏、Alvaro Castagnet氏、Herman Pekel氏)の作品を息子に鑑賞させた。そのうち楊宸安さんが最も気に入ったのがAlvaro Castagnet氏の作品だった。
 
楊宸安さんの作風は、Alvaro Castagnet氏の作品にみられるような野性的でのびのびしたもの。色使いは大胆でありながら筆の運びは空を行く雲と流れる水のように自然で、とても子供の作品とは思えないほど完成度が高い。楊文斌さんは息子の絵について「老熟した魂が宿っている」との見解を示した。
 
楊文斌さんは毎日、フェイスブック上で楊宸安さんの作品や創作の様子を紹介している。あるときフェイスブックで、楊宸安さんが絵を描いている様子を見かけたJoseph Zbukvic氏は、直ちにAlvaro Castagnet氏に見るようにシェアした。それはJoseph Zbukvic氏からAlvaro Castagnet氏に対する「楊宸安さんはすぐにでもあなたを追い越すほどの才能を持っている」というメッセージだったという。こうして楊宸安さんはインターネット上で話題の人となった。
 
楊文斌さんと楊宸安さん親子はこのほど、共同で展覧会を開催、父が10点、息子が39点の作品を展示している。そのうち楊宸安さんの12作品は、既に売却済で人手にわたっている。楊文斌さんは、「世界中でとは言えないかもしれないが、少なくともアジアにおいて息子のような子供の画家はほとんど見かけることがない。展覧会を通して、年長の芸術家や金門県政府の職員が、金門にこのような特別な才能を持った子供がいることに気がついてほしい」との望みを語った。
 
楊文斌さんは現在の楊宸安さんについて「息子は驚くほどスピードで進歩している。今の悩みは、息子が芸術の道を進み続けるかどうかではなく、息子のエネルギーがいつ爆発するかということ」と説明した。
 
楊文斌さんと楊宸安さん親子の作品は、金門県・尚義空港の公共ギャラリーで7月31日まで展示されている。6月末の夏休みが始まる頃には、会場で実際に楊宸安さんによる絵画制作が見られるという。

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