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「光點華山電影館」が新鋭監督をサポート、秀作5本を単館上映へ

2019/06/13
台北市の映画館「光點華山電影館(SPOT-Huashan)」は新鋭映画作家のため独自にプログラムを企画。今年は2人の作品を6月下旬に合計5本、単館上映して観客の視野を広げる。上は『土地』、下は『浮陽』の一場面。(光點華山電影館提供、中央社)
台湾北部・台北市における芸術映画の重要なプラットフォームとなっている「光點華山電影館(SPOT-Huashan)」では2014年より、新鋭映画作家のため独自に「光點華山扶植新導演」(SPOTによる新人監督サポート)プログラムを企画、新鋭監督による作品を銀幕に登場させると共に、観客の視野を広げている。
 
今年、ピックアップしたのは新鋭監督2人の作品で、蘇弘恩監督の『霊山』と『土地』、並びに鄭雅之監督の『悄悄』、『浮陽』、『SWIM』の短編3本。
 
蘇弘恩監督が先住民族の長老を取材した長編ドキュメンタリー『霊山』は、台湾国際記録片影展(台湾国際ドキュメンタリーフェスティバル、TIDF)の華人記録映画賞で審査員特別賞を受賞した作品。先住民族タロコ族の1人の長老の暮らしぶりと記憶を伝えるほか、資料映像も加えて、近代台湾の様々な政権による政策が先住民族全体、そして個人にどんな影響を与えたのかを探っている。
 
短編の劇映画『土地』では、先住民族が代々守って来た耕地が商人に買い取られる事件を通じて、先住民族の世代間の土地に関する価値観の移り変わりを描く。『土地』は「短編映画のカンヌ映画祭」と例えられるフランスのクレルモンフェラン国際短編映画祭(Clermont-Ferrand International Short Film Festival)のノミネート作品に選ばれた。
 
鄭雅之監督の作品の多くは自らの体験を出発点とし、映像を通じてリアルかつ純粋な感情を伝えている。『悄悄』では、母親を亡くした若い主人公が悲しみを乗り越え、再び歩み出すまでの過程を描く。同作品は韓国の釜山国際映画祭でノミネートされた。『浮陽』は2018年の台北金馬影展(台北ゴールデンホース・フィルムフェスティバル)の中国語短編映画部門で入選。事故で子どもを亡くした母親が抑えられない、心に刻まれた思いを語るもの。『SWIM』は思春期の恋愛ムードに満ちた作品。
 
これらの作品は6月22日と23日、そして6月29日と30日に「SPOT-Huashan」で単館上映される。
 
 

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