2024/05/07

Taiwan Today

政治

国家人権博物館、今年9月に国際人権博物館連盟のアジア太平洋支部に

2019/06/13
昨年設立された国家人権博物館が海外の博物館との交流を深めており、今年9月には国際人権博物館連盟のアジア太平洋支部となる。同連盟の支部がアジアに出来るのは初めて。写真は昨年5月17日、離島・緑島にある同博物館の「白色恐怖緑島記念園区」で行われたプレートの除幕式。中央は蔡英文総統。(総統府サイトより)
昨年設立された国家人権博物館(台湾北部・新北市及び同南東部の離島・緑島)が海外の博物館との交流を深めており、今年9月には国際人権博物館連盟(ICOM-Federation of International Human Rights Museums)のアジア太平洋支部となることが分かった。アジアに国際人権博物館連盟の支部が出来るのは初めて。
 
国際人権博物館連盟の本部はイギリスのロンドンにあり、支部はラテンアメリカに続いて台湾が2つ目。国家人権博物館の陳俊宏館長によれば、アジア太平洋支部に台湾を選んだ理由は、国家人権博物館が「国家レベルの博物館」として設立されていること。アジアのこうした施設は多くが「記念館」形式で、人権が弾圧された歴史的な事件を個別に記念するものなのだという。
 
陳館長は「新南向政策」の角度からの見方として、「人権は『新南向政策』における重要な価値で、『人権』は台湾が世界に踏み出すためのルートになる」と指摘する。特にアジアには多くの人権活動家がいて、人権に関する歴史や文物を保存はしているものの、それらをどのように展示し、教育に生かすかがわかっていないのだという。「新南向政策」は中華民国政府が東南アジア、南アジア、オーストラリア、ニュージーランドとの幅広い関係強化を目指す政策。対象国は18カ国に及ぶ。
 
国家人権博物館はアジアにおける人権のプラットフォームとして、世界に学ぶ一方でアジアの国々をサポートする。つまり、「human rights hub」(人権のハブ)としての役割が期待される。
 
陳館長によれば、同博物館では国際人権博物館連盟のアジア太平洋支部となってから、来年には「暗黒文学」フォーラムを開催する予定。その際にはアジア各地から白色テロや独裁政権の歴史を背景とする作家らを台湾に招く。国際的な交流を通じて、これまで関心が寄せられてこなかった、アジアにおいて正義が守られなかった歴史を広く知ってもらうのだという。
 
なお、国家人権博物館は今年10月には、ドイツのシュタージ書類管理連邦受託機関(Stasi Records Agency)と協力了解覚書を交わす予定で、台湾とドイツの「博物館フォーラム」も開いて相互交流を促進することにしている。
 
 

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