2024/05/03

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国立交通大学、自動運転システムへのAIの応用研究の成果を発表

2019/06/13
科技部(日本の文部科学省に類似)は12日、自動運転システムにAIを組み込むe-AI(embedded-AI)についての8年間にわたる研究成果を発表する記者会見を行った。写真は左から科技部工程司の徐碩鴻司長、科技部の許有進政務次長(=副大臣)、国立交通大学の郭峻因教授。(科技部サイトより)
AI(人工知能)時代の到来に伴い、自動運転システムはAIにとって重要な応用分野となっている。2025年には自動運転システム関連の生産高が、全世界で420億米ドルに達すると予想されている。こうした中、科技部(日本の文部科学省に類似)は12日、自動運転システムにAIを組み込むe-AI(embedded-AI)についての8年間にわたる研究成果を発表する記者会見を行った。
 
国立交通大学(台湾北部・新竹市)電子研究所の郭峻因教授は、郭教授が率いる研究チームが映像分析による先進運転支援システム(ADAS)を実現させ、組み込みコンピュータビジョンのディープラーニング技術の開発に成功したと明らかにした。高速自動ラベリングツールによってAI学習のデータベースを大量に生成し、これにチームが開発したリアルタイムのソフトウェアアルゴリズムを組み合わせることで、高価なGPUによるコンピューティングプラットフォームを必要とすることなく、AIコンピュータビジョンが必要とするコンピューティングプラットフォームのコスト負担を減らすことができる。
 
郭教授によると、AIは人類に代わって映像内のさまざまなものを分析し、識別することができるが、それにはまず「人間の知恵」が必要であり、人間の手によって一つ一つをラベリングしなければ、十分なデータベースを構築することが出来ない。
 
郭教授の研究チームは、世界初の高速ビジュアルデータ自動ラベリングツール(ezLabel 2.0)を開発し、これによってラベリングを行い、AI学習のためのデータとすることに成功した。そのラベリング効率は、既存の手動ラベリングツールの10~15倍以上にもなる。このツールは、ドイツの自動車メーカーであるアウディ(AUDI)が主催した第1回「台湾AUDIイノベーションアワード」で2つの賞を獲得するなど高い評価を受けているほか、すでに台湾の多数の企業が実験的にこのツールを使用している。
 
研究チームはこのほか、最大200m離れた場所にある車両を検出することができる組み込み式のディープラーニングアルゴリズムを開発した。これは、現段階で開発されているドキュメントアルゴリズム(YOLO v2)の4倍を超える。しかも、その精度はより高く、さまざまな天候にも適用できるため、自動運転システムへの応用に非常に適している。
 
研究チームはまた、後方の車両(自動車あるいはオートバイ)が3秒以内に追い越し運転をするかどうかを予測できるシステムを世界で初めて開発した。これは、ドライバー(あるいはライダー)にとって第3の目となり、運転の安全を守るものになると期待されている。
 

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