2024/05/06

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政治

観光局、ネットで人気のマレーシア人6人を台湾に招いてムスリムの呼び込みを強化

2019/06/14
交通部観光局がムスリムの観光客の呼び込みを強化する。昨年に続いて今年はマレーシアからネットで人気の歌手6人を招いて台湾で6泊7日の旅行を体験してもらっている。写真は旅行初日の13日に行われた記者会見での様子。(中央社)
政府は近年「新南向政策」を推進する中で、とりわけ観光面でムスリム(イスラム教徒)の市場開拓に力を入れている。昨年はマレーシアの人気女優、Mira Filzahさんを台湾観光のキャンペーンキャラクターに起用し、彼女のファンであるムスリムの人たち100人が団体で台湾旅行をするなど大きな成果を上げた。「新南向政策」とは東南アジア、南アジア、オーストラリア、ニュージーランドとの幅広い関係強化を目指す政策。
 
このブームを一過性のものに終わらせないため、交通部観光局(日本の観光庁に相当)はこのほどエバー航空(長栄航空)と協力、マレーシアの著名な「網紅」(ネット上でのライブ配信やYouTubeの動画、SNSなどで有名な人たち)6名を台湾の体験ツアーに招待した。6泊7日の旅でムスリムの人たちにやさしい台湾の旅行環境を味わってもらう。
 
昨年、台湾を訪れたマレーシアの人は延べ52万6,000人。ただムスリムの人たちはそのうち15%未満にとどまっており、マーケットとして開拓の余地が大きい。台湾ではすでに220カ所近いレストランと宿泊施設がハラル認証(ムスリムの人たちが食べられる食材や料理の認証。広くはムスリムにとって「合法的」であることの認証)を受けている。また、台北駅や高雄駅、台湾桃園国際空港、台湾高速鉄道の台中駅など交通機関のハブ、並びに13カ所ある国家風景区などにはムスリム用のプレイヤールーム(礼拝室)やお清めのための洗い場が設けられている。
 
6名の「網紅」たちにとってはいずれも初めての台湾旅行であることから台湾北部・台北市の観光は外せない。ランドマークとなっている超高層ビルの台北101や旧市街である大稲埕や特色豊かなエリアでのそぞろ歩き。また、南に足を延ばして苗栗県(台湾北西部)の飛牛牧場や農村での厨房を体験する。そしてさらには南投県(同中部)にある先住民族文化のテーマパーク「九族文化村」を訪れ、日月潭ロープウェイなどを楽しむことになっている。
 
この「網紅団」では男性歌手のAiman Tinoさんが団長を務めている。彼のヒット曲、「Ku Rela Dibenci」はYouTubeで延べ5,200万人が見たという。その他のメンバーはAfieq Shazwanさん、Wani Kayrieさん、Fara Hezelさん、Sissy Imannさん、Zynakalさんの5人で全員が歌手。いずれもマレーシアで多くのファンから愛されているほか、インドネシアやブルネイでもファンが多いという。
 
交通部観光局では、現代の若者がみな流行音楽に熱中し、芸能人の動向を常にチェックしたがる特性を利用し、「Salam Taiwan-台湾へようこそ」というキャッチフレーズをマレーシアやブルネイ、インドネシアにおけるムスリムのSNSで広めていきたいと考えている。
 
Aiman Tinoさんは今回の台湾旅行で、グルメや文化、ライフスタイルなどでマレーシアと異なるところを見てみたいと話している。また、Sissy Imannさんはアートに対する興味が強いとのことで、華山1914文化創意産業園区(華山文化クリエイティパーク、台北市)を楽しみにしているほか、台湾のマンゴーかき氷への期待も口にした。
 
Wani Kayrieさんはかつて台湾旅行を考えたことがあったが、言葉が通じないのではないかと心配していたという。しかし台湾に行ったことがあるという友人たちから、台湾の人たちはフレンドリーで、トラブルがあっても助けてもらえると教えられたと説明した。Fara Hezelさんは、台湾で「ハラル認証」を得た食べ物が見つかるか心配していたが、今ではたやすく手に入れられることを知ったという。2人はまた、台湾の化粧品は魅力的で品質も高いとし、台湾で自分にあった最新の化粧品を見つけたいと話した。
 
 

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