2024/05/05

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「比の恵まれない子どもたちの人生に夢を」、台湾の慈善団体がサポート

2019/06/24
フィリピンに大学を創設した佛光山や支部を設けた台湾児童及家庭扶助基金会といった台湾の慈善団体が、フィリピンの経済的に恵まれない子どもたちの教育をサポートしている。写真は支援を受ける子どもたちを訪ねた台湾児童及家庭扶助基金会のスタッフ(中列右から2人目と3人目)。(中央社)
台湾の慈善団体がフィリピンの経済的に恵まれない子どもたちの教育をサポートしている。台湾の仏教団体・佛光山のフィリピン支部、フィリピン佛光山は2014年に光明大学を創設し、学費と食費、寮費を全て免除して成績優秀な貧困学生を受け入れている。また、財団法人台湾児童及家庭扶助基金会(Taiwan Fund for Children and Families)も今年1月末に「菲律賓家扶中心」(フィリピン家庭扶助センター)を設立した。これら台湾の慈善団体の取り組みが、教育を通じてフィリピンの恵まれない子どもたちの夢の実現につながるよう期待されている。
 
米国の非営利組織、The Borgen Projectの統計によれば、フィリピンで帰るべき家を持たない子どもたちは120万人を超え、その半数以上がマニラで生活している。また、フィリピン統計局(PSA)のデータでは、フィリピンの6歳から15歳までの少年のうち約60万人が学校に通っていない。
 
光明大学では学費や食費、寮費を免除しているほか、制服、靴、かばんなど生活必需品も全て無料で提供し、子どもたちが何の不安もなく勉強できるようにしている。ただその条件は全ての科目で85点以上の成績を取ること。出来なければ自費で学ばなければならない。
 
一方、台湾児童及家庭扶助基金会はモンゴル、キルギス、エスワティニ王国、ベトナム、カンボジア、ヨルダンでの支部設立に続いて、今年1月末にはフィリピン家庭扶助センターを発足させた。ここでは家庭サポート、栄養サポート、教育サポート、少年指導サポートの各プロジェクトで貧困家庭を支えている。家庭サポートでは貧困家庭の子ども1人に毎月4米ドルを提供、栄養サポートでは毎月ロングライフ牛乳を1箱支給、教育サポートでは文具やノートなど学用品を提供、少年指導サポートでは子どもたちをロッククライミングやサイクリングに連れて行くほか、各分野の専門家を招いて子どもたちと話してもらい、子どもたちの視野を広げている。
 
貧困から抜け出すための近道は教育だとする台湾児童及家庭扶助基金会では、「現段階では子どもたちの教育を安定させることに重点を置いている。また、学用品、栄養品、交通費などをサポートすることで、子どもたちが学校に行きたがるようにし、安定した通学を実現したい」と話している。そしてさらに、「子どもたちは将来に何か期待しているかもしれないし、夢を持っているかもしれない。ただ、それが実現可能だとは思ったことが無いのではないか」と述べ、様々なサポートプロジェクトが子どもたちに希望を与えることになるとその狙いを説明した。
 
家庭環境の影響で、多くの子どもたちの夢は警察官や教師になりたいといった限られたものになりがち。しかし、同基金会では、「野外活動に連れ出したり、各分野の専門家と交流させたりして、無限の可能性に気付かせることが出来れば、子どもたちが教育を受けようとうする意欲はいっそう高まるはずだ」とその意義を強調している。
 
 

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