スイス・ベルンのタンツプラットフォームは23日、海外からも注目を集めている台湾の振付家・蔡博丞（Benson Tsai）さんのペアダンス「Orthrus」が、最優秀作品のBerner Tanzpreisに選ばれたことを発表した。蔡博丞さんの作品は2017年にも同賞を獲得しており、今回が2度目の快挙となる。
タンツプラットフォームの開催する国際的なダンスコンクールは、今年で6回目を迎える。今年は、台湾のほか、ポルトガル、オランダ、ベトナム、イスラエル、韓国の6か国・地域の入選作品が決勝に進んだ。
「Orthrus」は、ギリシャ神話の中の双頭の魔犬「オルトロス」にインスピレーションを得て演出された蔡博丞さんによるペアダンスの新作だ。今回、Berner Tanzpreisを受賞したことで、蔡博丞さんによって今後、欧州において振付を担当する機会が創出されるよう期待が持たれる。
そのほか、蔡博丞さんのペアダンス「浮花 （Floating Flowers）」は、2014年にドイツ・ハノーファー国際振付コンクールとスペインのコンテンポラリーダンス・フェスティバル「マスダンザ（MASDANZA）」において観客賞を獲得した。また2015年には、「Hugin／Munin」がスペイン・ブルゴス＆ニューヨーク国際振付コンクールの優勝、コペンハーゲン国際振付コンクールの金賞、イスラエル・ Jerusalem International Choreography Competitionの銀賞にそれぞれ選ばれた実績を持つ。
蔡博丞さんは2015年、自らが芸術総監を務めるダンスカンパニー、「B.DANCE（丞舞製作団隊）」を設立した。その後、2017年に初めてのBerner Tanzpreis受賞、2018年には、ドイツのダンス雑誌「Tanz」が発表した2017/2018年シーズンの有望な若手ダンサーに選ばれた。
近年ではB.DANCEによる「B.OOM by B.DANCE」シリーズのダンスフェスティバルを開催しており、海外の振付家とダンサーを招へいして、台湾での競演を実現させている。
今年は、「B.OOM by B.DANCE国際聯合金獎匯演」が、台湾北部・台北市の台北水源劇場で、28日と29日に開催される。蔡博丞さんの新作「Orthrus」が台湾で初公演される。