2024/04/30

Taiwan Today

政治

公共テレビの『我們在這裡生活』、海外から来た移住者たちの人生伝える

2019/06/25
公共テレビ(PTS)が制作したドキュメンタリー『我們在這裡生活』が24日に新北市で初公開された。台湾とベトナム間の「移住者」4人の生活を記録し、感動的な物語を伝えている。写真は24日の上映イベントでステージに立った「移住者」たちと制作に携わった人たち。右から3人目が黄金線さん、4人目は蔡定邦さん、左から4人目が阮氏芳さん。(中央社)
台湾の公共放送である公共テレビ(公視、PTS)が4Kの高画質で制作したドキュメンタリー、『我們在這裡生活』が24日、府中15-新北市ドキュメンタリーシネマで初放映された。同作品では台湾とベトナム間の「移住者」4人の生活を記録、人を中心に据えた感動的な物語とその「温度」を伝えている。
 
プロデューサーを務めた著名な映画監督、林靖傑さんによれば、『我們在這裡生活』は出稼ぎ労働者に関する有名なルポルタージュの『我們』、『回家』の著者である顧玉玲さんとタッグを組んで撮影しており、東南アジアから台湾にやって来た出稼ぎ労働者や、台湾の人と結婚して台湾に移り住んだ配偶者などを題材にした従来の作品とは異なる。社会運動家の顧玉玲さんと郭明珠さんの30年にわたる労働運動の経験を通して、撮影では人を中心とした感動的な物語とその「温度」を映し出し、さらに「労働」、「漂流」、「家」、「自己実現」の4者の密接な関係性をとらえたという。
 
『我們在這裡生活』に登場する台湾とベトナム間の「移住者」は黄金線さん、阮氏芳さん、蔡定邦さん、阿問さんの4人。出稼ぎ労働者、台湾の人と結婚して台湾に移り住んだ配偶者、その子女などで、インタビューに答える形でそれぞれの人生の物語を紹介している。
 
内政部(日本の省レベル)の統計によると、「新住民」(外国や中国大陸・香港・マカオ出身で、台湾の人と結婚して台湾に移り住んだ人)で中華民国(台湾)の国籍や身分証を取得した人は65万人を超え、先住民族の数を上回るなど一大グループを形成している。特に「新住民」とその子女が最も多いのは台湾北部の新北市で、その数は14万人あまりに達する。このため、台湾の人たちとこれら「新住民」もしくはその子女たちの暮らしを切り離して考えることはもはや出来ない。
 
公共テレビの曹文傑総経理(社長)によると、台湾は元々移民社会であり、過去には中華民族が中国大陸から移り住み、国民政府が中国大陸から台湾に渡って来た。また、今では都会と地方の間で、また東西南北へと人々は移動を続けている。そしてここ20年あまりは東南アジアからの移民や出稼ぎ労働者が台湾にやって来て、過去と同様の歴史を刻んでいる。曹総経理は、こうした新たな要素を絶えず取り込んで「自分たちのもの」にしていくことこそが「台湾の精神」なのだと強調している。
 
『我們在這裡生活』は6月27日夜10時、公共テレビで放送される。また、OTT(オーバー・ザ・トップ=ネットでのコンテンツ配信)サービスの「公視+」でも同時に配信が始まることになっている。
 
 

ランキング

新着