2024/05/05

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政治

台湾が口蹄疫ワクチン非接種清浄地域申請、次の目標は豚コレラ

2019/07/02
行政院農委会は1日、国際獣疫事務局(OIE)に対して、「ワクチン非接種清浄地域」の認定を受けるための申請が可能になったことを明らかにし、記者会見で台湾における過去の口蹄疫発生状況およびその撲滅対策と成果を紹介した。(中央社)
行政院(内閣)農業委員会(農委会)の黄金城副主任委員( =副大臣に相当)は1日、台湾では22年3ヵ月26日間、家畜伝染病・口蹄疫の発生が確認されなかったため、動物衛生の向上を目指す国際機関、国際獣疫事務局(OIE)に対して、「ワクチン非接種清浄地域」の認定を受けるための申請が可能になったことを明らかにした。農委会は同日、「台湾における過去の口蹄疫発生状況およびその撲滅対策と成果」について記者会見を行った。
 
家畜伝染病の予防業務を管轄する黄金城副主任委員は今後について、「9月前には申請報告書と質問票を提出する。OIE動物疾病科学委員会の審査に合格し、加盟国の評価を経て、2020年5月に行われるOIE総会で採択されれば、台湾は『ワクチン非接種清浄国』として認められることなる」と説明した。

黄金城副主任委員によると、口蹄疫のワクチン非接種清浄地域を目指していた台湾は、2009年にワクチン非接種清浄地域になるよう努力したが、失敗に終わった。その後、防疫の取組みを進め、2016年には、行政院がワクチン非接種清浄地域になることを重要な政策に組み込んだため、部門を超えた協力が得られ、今日の成果に至った。その主要な原因として科学分野における幅広さと奥深さが挙げられ、口蹄疫撲滅の重要な鍵が二つあった。
 
台湾では、口蹄疫ワクチン接種の停止を執行するにあたって、ワクチンの接種率を9割以上に向上、毎年1,860か所におよぶ牧場と食肉市場における豚4万頭を管理・監督し、85%以上が有効な中和抗体価を保有するのを確認した。次に、全面的にワクチン接種の停止を開始する前に、環境モニタリングを行った。ワクチン非接種の豚と羊を同室に入れて飼育する検査と同時にリスクアセスメントを実施し、自然環境に口蹄疫ウィルスがあるかどうかを確認した。
 
農委会は今後、関連する4つの政策を推進する。
 
第一に、畜産牧場の家畜排泄物処理について、農委会が責務を負い、再利用することで、牧畜業者が直面している環境保護問題の改善に対する解決策とする。
 
第二に、今後、養豚業は専用地域にて展開させる。台湾では都市の発展や人口分布の関係で今後も各地に牧場を開設するのは不可能であるためだ。
 
第三に、牧畜業者が抱える多くの課題について、引き続き科学的かつ専門的分野との協力モデルで解決にあたる。台湾の畜産業を再び国際市場へ展開できるよう目指す。
 
第四に豚コレラに関してもワクチン接種の停止を目標とする。遅くとも来年には地域ごとにワクチン接種停止を開始する計画で、既に日本の食肉業者は、台湾の豚肉の買い付けに関して交渉するため、台湾を訪問した。
 
台湾では、かつて口蹄疫が大規模発生する前は、日本へ年間600億台湾元(約2,070億日本円)の豚肉が輸出されていた。当時からすでに豚コレラは存在しており、台湾では13年間、ワクチン接種下で豚コレラが発生していない状況で、輸出市場の認可があり、食肉処理場が国際貿易のメカニズムに符合する認証を得ていれば輸出が可能だ。
 
台湾の養豚場ではほとんどの豚に対して豚コレラワクチンの接種を実施している。出生後3週間に1回目、6週間に2回目を接種しており、過去13年間、豚コレラの発生は確認されていない。

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