蔡英文総統は11日、カリブ海に位置する中華民国(台湾)の国交樹立国を訪問するために台湾を出発した。蔡総統は外遊初日、米ニューヨークに立ち寄った。ニューヨークでは2泊することになっている。
ニューヨークには国連本部があり、米国の首都ワシントンD.Cからも近い。蔡総統はニューヨーク到着後、台北駐ニューヨーク経済文化弁事処（ニューヨークにおける中華民国領事館に相当）で行われた国交樹立国の国連大使らによる歓迎レセプションに出席した。
中華民国(台湾)の国家元首が、国連本部のあるニューヨークで国交樹立国の国連大使らと会見するのは初めてのこと。中でも、国連代表がこのレセプションに参加し、蔡総統と会見したセントビンセント・グレナディーンは、このほど国連の非常任理事国に選出されたばかりで、その意義は大きい。また、中華民国の国家元首が、ニューヨークの在外公館で公開の活動を行うのも初めてのこと。
蔡総統はアメリカ東部標準時間12日、米台商業協会(U.S.-Taiwan Business Council)と中華民国対外貿易発展協会（TAITRA、日本での名称は台湾貿易センター）が合同開催する台米企業サミットに出席する予定。会議の代表は米台商業協会のMichael Splinter会長が担当する。
12日午後は米コロンビア大学を訪問する。同大学の中国政治専門家、アンドリュー・ネイサン教授の呼び掛けで集まった同大学の学者や関連分野の研究を行う大学院生らと非公開会談を行う。
ニューヨーク滞在の最終日となる13日午前は、米国の多数の政府要人と接見、あるいは電話会談を行うことになっている。
ニューヨーク滞在を終えた蔡総統は、訪問団一行と共に、カリブ海の国交樹立国へ向かう。ハイチ、セントクリストファー・ネイビス、セントビンセント・グレナディーン、セントルシアの4カ国を訪問し、帰路に米コロラド州デンバーに立ち寄って2泊する。一行は台北時間22日午後に台湾に戻る予定。