カリブ海にある国交樹立国4か国を訪問する「自由民主永続之旅（=持続可能な自由民主の旅）」と名付けた外遊を展開する蔡英文総統は現地時間13日午後（台北時間14日未明）、ハイチ共和国に到着した。蔡総統はその足で、台湾の優れた製品を展示する「台湾商品展（Taiwan Product Exhibition）」の開幕式に出席した。
蔡総統は開幕式で、「この2年近く、台湾の宏遠興業、信源企業という2つの大手企業が対ハイチ投資を行い、アパレル縫製工場を建設し、多くの雇用機会を創出している。昨年初めには、中華民国（台湾）とハイチの国交樹立以来、初めてとなる『ハイチ台湾商会（=ハイチ進出する台湾企業による商工会組織）』が立ち上げられ、台湾とハイチの経済・貿易関係はますます密接なものになっている」と述べた。
蔡総統はまた、台湾とハイチが実施を目指す「ハイチ電力網強化プロジェクト」にも言及した。このプロジェクトは、台湾の民間金融機関が対外商業貸付を行い、台湾海外工程公司(Overseas Engineering & Construction Co.：OECC)が工事を請け負い、台湾電力公司の社員を派遣して、ハイチの施工チームと協力して実施するというもの。ハイチにとっては国家建設の発展となり、台湾企業にとっては海外ビジネスの開拓につながる。そして、台湾とハイチにとってはパートナーシップのさらなる強化になる、3者にとってメリットがあるウィン・ウィン・ウィンのプロジェクト。このプロジェクトは、高圧の地域型マイクログリッド（小規模電力網）の構築、変電所の新設などを含むもので、ハイチ国会で可決されるのを待って工事に取り掛かることになっている。
蔡総統は続いて、ジョブネル・モイーズ大統領やハイチの政府高官らと二国間会談を行い、両国共通の課題について幅広い意見交換を行った。蔡総統は、「台湾商品展」の開幕式や「ハイチ電力網強化プロジェクト」を含む両国間の重要な協力プロジェクトの視察やブリーフィング聴取など、台湾からの一行の訪問活動に大統領夫妻が同行してくれたことに感謝した。
蔡総統はまた、「台湾の技術団は近年、台湾で研究開発した良質の稲を育てる技術をハイチで発展させようと取り組み、ハイチにおけるコメの自給量を増やしている。これは、持続可能な食糧生産システムの確保を目指す国連の目標を実行に移すものだ」と述べた。
モイーズ大統領もこれを受けて、「台湾とハイチは現在、さまざまな非常に重要な協力プロジェクトを実行している」と指摘。その一例として、現在取り組んでいる稲作計画、ソーラーポンプ設置のための資金援助計画、それに「ハイチ電力網強化プロジェクト」などを挙げた。モイーズ大統領は、「今後もさまざまな分野で協力を強化したい」と述べると共に、台湾が他の海外諸国と共に、ハイチの発展に協力してくれるよう期待を寄せた。
蔡総統は同日夜、ハイチ大統領府で行われた晩餐会に出席。晩餐会終了後、直ちに次の目的地であるセントクリストファー・ネイビスに移動した。