2024/05/06

Taiwan Today

政治

迪化207博物館がかき氷特別展、夏の風物詩で涼を味わう

2019/07/19
機械ではなく、やすりを使って自らの手で氷を削る手作りかき氷にこだわる達人、高伯伯。台湾かき氷の歴史における生き証人のような存在だ。(中央社)
迪化207博物館(台湾北部・台北市大同区)では「食涼—夏日的滋味(涼しい食べ物―夏の味わい)」特別展を開催している。台湾の昔ながらのかき氷を体験しながら、100年の伝統ある台湾のひんやりフードを紹介する。
 
迪化207博物館の創設者、陳国慈さんは元々、香港に在住していた。1966年に台湾を訪れた際、初めてかき氷に出会った。陳国慈さんはその時を振り返り「香港では、寒冷性の食材は体に悪いという意識があるので、台湾でなぜ氷を食べるのか、とても疑問に思った。しかし、一度試しに食べてみたところ、そのような思いは吹き飛び、台湾かき氷の芸術的な美味しさは、神話レベルにまで達していると感じた」と語った。
 
迪化207博物館の華安綺館長によると、台湾では1897年に初めての製氷所が誕生し、かき氷が好んで食べられるようになったという。開催中の特別展では、台北市でわずかに残っているという、機械ではなく、やすりを使って自らの手で氷を削るかき氷の達人、高伯伯(高おじさん)が、バナナオイル(バナナの香料)、緑豆仁(緑豆の皮をむいたもの)、花豆など伝統的な台湾かき氷の具を懇切丁寧に紹介している。84歳になる高伯伯は、かき氷が一杯1台湾元(約3日本円)だったころから、45台湾元(約150円)になるまでのかき氷の歴史の生き証人でもある。
 
台湾で著名な文化・歴史研究家の荘永明さんによると、かつて一般家庭に冷房がなかった時代は、映画館の看板は「冷気開放(冷房中)」ではなく「電扇密布(扇風機が隙間なく設置されている)」と書かれて、客を呼び込んだという。荘永明さんは、今回の特別展から、市民が当時の子供時代の懐かしい記憶にひたれるよう期待していると語った。
 
同特別展では、市民へのアイス・かき氷に関するアンケート調査の結果も紹介している。
 
最も好きなかき氷・アイスの種類ベスト5は、1位.刨冰(最も一般的なシャリシャリかき氷)、2位.雪花冰(凍らせたミルクをふわふわに削ったかき氷)、3位.枝仔冰(アイスキャンディー)、4位.綿綿冰(アイスクリームに似たスムージーのような食感のかき氷)、5位.吧噗冰(昔ながらの笛を鳴らしながら屋台をひいて売りにくるアイスクリーム、笛の音が吧噗(バーブ―)と聞こえることからこう呼ばれる)
 
次に、好きな食感のトッピング、トップ10は、1位.芋圓(芋団子)2位.粉圓、珍珠(タピオカ)3位.糖漿(シロップ)4位.地瓜圓(さつまいも団子)5位.愛玉(愛玉子という果物のゼリー)6位.仙草凍(仙草という植物の葉・茎から作ったゼリー)7位.粉粿(わらび餅に似た食感を持つサツマイモの粉で作った団子)、8位.綠豆、9位.薏仁(ハトムギ)、10位.豆花。シロップの中で、好きな味ベスト3に選ばれたのは、1位.黒糖味、2位.パイナップル味、3位.梅味。
 
そして、夏に家庭の冷蔵庫で常備されているデザートは、1位.緑豆スープ、2位.愛玉ゼリー、3位.冬瓜ジュース、4位.仙草ジュースまたはゼリー、5位.白キクラゲと蓮の実のシロップ煮(中国語は木耳蓮子)。
 
「食涼—夏日的滋味(涼しい食べ物―夏の味わい)」特別展は、12月15日まで開催されている。

ランキング

新着