2024/05/15

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金馬賞特別功労賞、映画監督の王童と俳優のジミー・ウォングに決まる

2019/07/29
ゴールデンホース・アワード(金馬奨=賞)の執行委員会が、今年の特別功労賞は台湾の映画監督、王童さん(左)と香港の俳優、ジミー・ウォングさん(右)に授与すると決定した。王童さんは『村と爆弾』、『無言の丘』のほか、『香蕉天堂(邦題:バナナ・パラダイス)』など台湾の歴史を切り取った作品で知られる。ジミー・ウォングさんは『獨臂拳王(邦題:片腕ドラゴン)』や日本の勝新太郎さんと共演した、『新座頭市・破れ!唐人剣』でも有名。(金馬奨執行委員会提供、中央社)
中国語映画のアカデミー賞とされるゴールデンホース・アワード(金馬奨=賞)の執行委員会が26日、第56回ゴールデンホース・アワードの「終身成就奨」(特別功労賞)を台湾の映画監督、王童(ワン・トン)さんと香港のアクションスター、王羽(ジミー・ウォング)さんに授与することを決定した。
 
王童さんは台湾のベテラン映画監督で、ゴールデンホース・アワードも6度受賞。映画の美術からキャリアをスタートさせた王童さんは1976年に『楓葉情』で第13回ゴールデンホース・アワード最優秀美術賞を、1983年には『天下第一』で第20回ゴールデンホース・アワード最優秀衣装デザイン賞を、そして1985年には『策馬入林』で第22回ゴールデンホース・アワード最優秀美術賞と最優秀衣装デザイン賞を獲得した。そしてさらに1987年の『稲草人(邦題:村と爆弾)』と1992年の『無言的山丘(邦題:無言の丘)』でゴールデンホース・アワード最優秀監督賞を2度受賞している。
 
ゴールデンホース・アワード執行委員会によれば、王童さんは中影股份有限公司の映画製作所出身の「たたき上げ」。同製作所の所長になるとハリウッドを視察し、帰国後は科学的なポストプロダクションセンターを整備すると共に、中影股份有限公司の技術的な設備を大いにレベルアップするなど、台湾における映画産業の発展に大きく貢献した。王童さんはまた、近年は映画に関する人材の育成に注力しており、ゴールデンホース・アワード執行委員会の主席(委員長)を務める国際的な映画監督の李安(アン・リー)さんは、自身が『色・戒(邦題:ラスト、コーション 2007年)』を撮った際には王童さんの弟子たちが力を発揮してくれたと話している。
 
香港の俳優、王羽さんは中国語映画に特定のジャンルのブームを生み出した大スター。1960年代の新たな武侠映画における代表的な俳優だった王羽さんは、『獨臂刀(邦題:片腕必殺剣)』、『金燕子(邦題:大女侠)』、『獨臂刀王(邦題:続・片腕必殺剣)』などで誰もが知る銀幕でのイメージを確立すると共に、興行成績も次々と塗り替えた。王羽さんは1978年、『手足情深』で初めてゴールデンホース・アワードの最優秀主演男優賞にノミネートされている。
 
李安さんは、王羽さんは武侠スターのスタンダードを確立したほか、パンチやチョップ、キックを使ったアクション映画の時代を切り開いた先駆者だと指摘。特に王羽さんが1970年に監督・主演を務めた香港映画、『龍虎鬥(邦題:吼えろ!ドラゴン、起て!ジャガー)』は武器を持たずに徒手空拳で戦う映画としてブルース・リーより早く、無数の後継者たちに啓発を与えたと説明した。李安さんは、「これらの映画が世界に与えた影響は自分の作品より大きいかもしれない。今でも全世界が真似をしているのだから」と話した。
 
王羽さんは2013年、台湾の鍾孟宏監督が手掛けた『失魂』でゴールデンホース・アワードの最優秀主演男優賞にノミネートされた。当時、審査委員長を務めた李安さんは、かつて銀幕の「戦うヒーロー」だったことを感じさせない王羽さんの感動的な演技は大変印象的だったと語っている。
 
第56回ゴールデンホース・アワードの特別功労賞は、今年11月23日に行われる授賞式典で授与される。
 
 

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