2024/04/30

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台北市文化局、「台北文化奨」の受賞者・団体を発表

2019/08/20
台北市文化局(台湾北部)は、第23回「台北文化奨」の受賞者・団体を発表した。23回目となる今年の受賞者・団体は左上から時計回りに封徳屏さん、陳錫煌さん、「舞蹈空間舞蹈団(Dance Forum Taipei)」、「董事長楽団(The Chairman)」。受賞式は11月下旬、台北市の中山堂で行われる。(台北市文化局提供、中央社)
台北市文化局(台湾北部)は、台北市の文化に卓越した貢献のあった人物に「台北文化奨」を授与している。23回目となる今年の受賞の重点は「都市の生活美学、公共性、芸術性、文化の多様性の推進に参与し、卓越した貢献があった人物・団体」で、雑誌『文訊』の復興に貢献した封徳屏さん、伝統人形劇「布袋戯(ボテヒ)」の国宝級人形遣いの陳錫煌さん、30年にわたりパフォーマンスアートのプラットフォームを提供している「舞蹈空間舞蹈団(Dance Forum Taipei)」、音楽との融合で台湾のローカル文化を海外にアピールしているロックバンド「董事長楽団(The Chairman)」の受賞が決まった。受賞式は11月下旬、台北市の中山堂で行われる。
 
封徳屏さん
今年で35年目を迎える雑誌『文訊』の社長兼総編集長。2003年2月に休刊の危機に直面しながらも、『文訊』を継続させる重圧を担うことを選択。長きにわたり、台湾の各年代別の文学の発展を研究し、作家の作品や学術の風潮などを整理、記録してきた。台湾文学資料に忠実な守護者と呼ぶにふさわしい人物。
 
陳錫煌さん
現在89歳。13歳から父親である李天禄さんについて「布袋戯」を演じる。半世紀以上を「布袋戯」に捧げ、その演出と伝統の継承に尽力してきた。現在は「陳錫煌伝統掌中劇団」の団長を務める。伝統芸能である「布袋戯」の美を余すところなく披露し、その精緻な伝統の技の保存に取り組む。現在、台湾で唯一、文化部の「重要伝統芸術布袋戯類保存者」、「古典布袋戯偶衣装盔帽道具製作技術保存者」という、いわゆる「人間国宝」に相当する2つの認定を受けた無形文化財保持者である。
 
舞蹈空間舞蹈団(Dance Forum Taipei
「国家文芸奨」ダンス部門受賞者の平珩さんが1989年に創設した。「舞踊性」、「創意性」、「芸術性」を兼ねた作品で、分野を越えた多様なスタイルを生み出している。2002年からは、新たに「東方肢体美学」を提唱。現在までに振付家56名、デザイナー163名と共に80の作品を作り出してきた。この30年間、台湾だけでなく、米国、フランス、オランダ、イタリア、ベルギー、スイス、カナダ、香港、日本、韓国などで演出を行ってきた。仏リール歌劇場や米アメリカン・ダンス・フェスティバル(ADF)などの招待を受けて演出を行ったこともある。
 
董事長楽団(The Chairman)
1997年に結成したロックバンド。音楽だけでなく、映画や歌劇などの分野にも創作の幅を広げている。台湾のローカル文化を音楽と融合させた創作に長けている。台湾式のロックバンドの演出が高く評価され、これまでに数々の賞を受賞している。当初は社会批判や環境保護に関する問題提起を意識した作品が多かったが、近年は台湾語文化の衰退に関心を寄せており、南管・北管音楽、台湾オペラと呼ばれる「歌仔戯(ゴアヒ)」、民間に伝わる音楽など、台湾オリジナルの音楽素材をふんだんに取り入れた作品を作っている。ビジュアル方面でも、民間信仰の神様や隈取りのイメージを取り入れ、台湾の廟会文化(=縁日文化)をアピールしている。
 

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