2024/04/29

Taiwan Today

政治

台湾のオリジナル短編アニメが9月から巡回上映、「未来のスター」の作品を紹介

2019/08/22
台湾の短編アニメ上映プロジェクトの「未来之星(未来のスター)」計画は今年2年目。9月より「過去、未来との出会い」をテーマに台湾北部・中部・南部での巡回上映が始まる。写真は上映される作品の数々。(弥賽亜創意工作室提供、中央社)
台湾の短編アニメ上映プロジェクトの「未来之星(未来のスター)」計画は今年2年目。9月より「過去、未来との出会い」をテーマに台湾北部・中部・南部での巡回上映が始まる。今年はオリジナルの短編アニメ8を巡回上映するほか、台湾北部・台北市で交流フォーラムを行い、台湾でアニメ製作に携わる人たちを後押しする。
 
この8作品は過去2年近くの間に国内外の映画祭で最も注目を集めたオリジナルの短編アニメで独立系の制作会社によるものや、台湾の学生たちの手による短編アニメ。
 
ストップモーション・アニメーション(静止した物体を1コマずつわずかに動かして撮影することで動画にする手法)の作品『当一個人(Where am I going?)』は中国語映画のアカデミー賞とされる第55回ゴールデンホース・アワード(金馬奨)最優秀短編アニメ賞と第21回台北フィルムフェスティバル最優秀アニメーション映画賞を相次いで受賞した。監督の1人、黄勻弦さんは台湾の伝統工芸で、小麦粉を練って人や動物の形にする「捏麺人」の技術を極めて精巧なストップモーション・アニメーションへと生まれ変わらせた。
 
また、楊子霆監督の新作、『我們的月亮(Our Moon)』は、ハリウッド映画『ゼロ・グラビティ』のようなスリルあふれる光と音の効果を発揮、未来の宇宙に向けた移民ミッションの中で起きる事件を通じて、父と娘の愛情と犠牲精神が描かれる。
 
『関於他的故事(Stories About Him)』はさらに、台北フィルムフェスティバル、台中国際アニメーションフェスティバル、文化部(日本の省レベル)による金穂奨(賞)と次々に受賞を重ねた佳作。楊詠亘監督は異なるメディアを組み合わせて祖父の家族に対する思い出を語り、台湾の人々にとって共通で、親しみ深い歴史を描いて見せた。
 
米国の南カリフォルニア大学を卒業した余聿さんがロボットと小さな女の子の友情を描いたストップモーション・アニメーションの『雛菊(Daisy)』は2018年の米国における学生アカデミー賞でアニメ部門の銀賞を受けた作品。さらにフランスの代表的なアニメーション学校、ゴブリン(Gobelins)で学ぶ劉晏呈さん、鄭煥宙さんが他国の学生と共に卒業制作として作った『阿公(A Gong Grandpa)』は、子どもが初めて家族の死に向き合う心境の変化を描いている。
 
国立台湾科技大学(台湾北部・台北市)の学生、劉得維さんが監督した3Dアニメ『機器人設計学院(Robots' Design Academy)』は、人類が滅亡に近づいた未来を背景に、ロボットと人類との初めての対面を描いた。国立台北芸術大学(台北市)の3年生、周子羣さん、葉信萱さん、陳姿穎さんは力を合わせ、手描きスタイルで『暑假的最後一天(夏休みの最後の日)』を完成させた。また、銘伝大学(台北市など)の2年生、陳冠廷さんと林群鈞さんがテンポよく教育体制を風刺する作品、『歓迎来到肝大(GAN University)』も注目される。
 
台北市では独立系制作会社による『金魚(Goldfish)』も追加上映。同作品は漫画家でアニメ監督でもある王登鈺さんが手がけたもので、独特のキャラクターと世界観によって台湾の政治・社会の過去を風刺しながら今日の時局へと結びつける。
 
今年の「未来之星」計画ではまず9月21日夜に台北市内の真善美戯院(映画館)で作品を上映、それに先立って同日午後には西門紅楼(台北市)でアニメーション・フォーラムが2回行われる。11月8日から17日までは台湾南部・台南市での「南方影展(South Taiwan Film Festival)」で2回上映。それ以外の上映活動は台中影視発展基金会(台湾中部・台中市)、並びに府中15新北市動画故事館(同北部・新北市)などが協力して行われることになっている。
 
 

ランキング

新着