2024/05/03

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来年10月に国民身分証リニューアル、デジタルIDを採用

2019/08/23
22日に開かれた行政院院会(=閣議)で、新たな国民身分証として「数位身分識別証(New eID)」の導入が決まった。来年10月より導入する。写真はその機能について説明する内政部戸政司の張琬宜司長。(中央社)
22日に開かれた行政院院会(=閣議)で、新たな国民身分証として「数位身分識別証(New eID)」の導入が決まった。来年10月より導入する。周辺環境の整備が整えば、国民身分証に加えて運転免許証や健康保険証の機能が搭載される予定。また、いずれはスマートフォンに情報を取り込むことで、カードが携帯不要になる。
 
新たに導入される「数位身分識別証」は、従来の国民身分証(=ICチープが搭載されたIDカード)と自然人憑証(=政府機関のオンラインサービスで使用する公的個人認証カード)」の2つの機能を持ち合わせたものになる。初期段階では運転免許証や健康保険証の機能は搭載しない。
 
カードの素材には、熱可塑性プラスチックの一種であるポリカーボネート樹脂(PC)を使用。多層構造により、剥がれ落ちたり色褪せたりすることがなく、カード表面の個人情報はレーザー彫刻を施す。ICチップに個人情報を保存し、偽造防止機能を強化したものとなる。
 
カード正面には、所持者の顔写真、氏名、統一編号(=IDナンバー)、生年月日が記載される。裏面には婚姻状態が記載される。カードに記載する個人情報を最小限に抑えることで、プライバシーを保護する。また、カード上方には中華民国(台湾)の国旗のロゴと、「中華民国国民身分証」と「REPUBLIC OF CHINA(TAIWAN) IDENTITY CARD」の文字が入る。
 
運転免許証、健康保険証、それにスマートフォンとの連動などその他の付帯機能については議論が先送りされた。そのうち、スマートフォンとの連動については、国民身分証のカードを提示する代わりに、スマートフォンに表示される二次元バーコードをスキャンするというもの。これにより、将来的にはカードの携帯が不要になる。
 
新たなカードに搭載されるICチップのデータは2段階に分けて保護される。1層目は本籍地住所(村、里、鄰までの情報)を読み取ることができる。2層目は氏名、統一編号、生年月日、本籍地、役別(=兵役義務の終了有無等)の情報が登録される。これは、身分証番号の下6ケタを入力しなければ読み取ることができない。3層目は配偶者の氏名、両親の氏名、出生地、性別、写真が登録される。カード所持者が設定した6~8ケタの暗証番号を入力しなければ読み取ることができない。4層目は「自然人憑証」機能の部分で、カード所持者が設定した6~8ケタの暗証番号を入力する必要がある。5層目は国際民間航空機関(ICAO)標準の「旅行証」機能の部分で、国内の税関で使用する。
 
新たなカードのサンプルは来年公開し、同9月までにカード発行システムを完成させ、10月より順次更新を受け付ける。必要経費として48億台湾元(約162億日本円)を計上。2023年3月までに全国2,359万人のカード更新を終える予定。また、実際の更新状況を見て、旧カードの失効日を公告する。
 

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