2024/05/08

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政治

クジラ目の動物救助で成果、台湾が座礁クジラ・イルカ保護の国際組織に加入

2019/09/04
中華民国(台湾)がクジラ目の動物保護に長年取り組んできた努力が評価され、このほど「亜洲海洋哺乳動物擱浅組織網(AMMSN アジア海洋哺乳類座礁ネットワーク)」の会員国になった。写真は国立成功大学のチームが浅瀬に乗り上げたクジラ目の動物を保護しているところ。(聯合報より)
中華民国(台湾)がクジラ目の動物(クジラ・イルカ)保護に長年取り組んできた努力が国際的に評価され、今年は「亜洲海洋哺乳動物擱浅組織網(Asia Marine Mammal Stranding Network, AMMSN=アジア海洋哺乳類座礁ネットワーク)」に会員国として加わった。これに合わせて3日より4日間の日程で、台湾南部の台南市及び高雄市で同組織の年次総会が開かれている。総会では、国家海洋研究院が同組織と協力覚書を交わすことになっており、今後はクジラ目の動物に対する保護と救助の活動に努めていくという。
 
この年次総会は国立成功大学(台南市)の海洋生物・クジラ目研究センター、中華鯨豚協会(TAIWAN CETACEAN SOCIETY=中華クジラ目協会)、及び海洋委員会(日本の省レベル)に属する海洋保育署と国家海洋研究院が共同で主催。AMMSNの会員はこれまで、フィリピン、ベトナム、タイ、カンボジア、インドネシア、マレーシア、インド、日本、香港で、今年は台湾が10番目の会員として加わった。年次総会ではこれら会員国のほか、長期にわたってクジラ目の保護に関心を寄せる米国、ニュージーランド、オーストラリア、韓国の代表も出席した。
 
台湾は1990年に、離島・澎湖の漁師によるイルカ漁の映像が海外に広がり、世界の動物保護団体から強く非難された。この時から台湾ではクジラ目の動物保護への関心が高まり、民間と政府、保護団体らによる努力の下、1998年に初めて生きたまま浅瀬に乗り上げていたイルカを救出することに成功、同時にクジラ目の動物を殺傷することを法令で禁止した。
 
国立成功大学海洋生物・クジラ目研究センターの王浩文主任は現在台湾にある救助チームについて、北部では中華鯨豚協会が中心、南部は国立成功大学だと説明している。国立成功大学では2004年以降、すでに400頭を超えるクジラ目の動物の救助活動を実施。昨年はさらに年間で40頭の救助に出動、過去最高記録を更新した。今年はこれまでに30頭の救助を行ったが、生きたまま救出し、海に戻してやれた割合は約1割だという。こうした動物は浅瀬に乗り上げている時点ですでに問題を抱えており、問題が大きければ手の施しようが無い。王主任によると、これは現時点で世界共通の学術的な考え方であり、こうした動物を人間が救える力には限りがあるが、活動が困難だからといって救わないわけにはいかないのだという。
 
台湾南部の救援センターは台南市安南区の四草に設けられている。
 

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